狂気のお姫様
状況は掴めた。
掴みたくはなかったが。
掴んでしまった。
「よく寝れた?」
「あ、おかげさまで…」
隣から銀髪の低い声が聞こえ、寝起きの声で一応ペコリと頭を下げる。
なんだか途中起きた気がしないでもないが、私、銀髪の膝で寝て……いや、考えるのはやめよう。
そもそも階段で寝てたはずなんだけど。
「律ちゃん!なに簡単に愁ちゃんに拾われてんの!!」
目の前のチビ…じゃなくて佐々木夕の攻撃は続く。
「…私拾われたんですか」
「落ちてた」
んなアホな。
あぁそういうことか。愁さんが通りかかって、寝ていた私を連れてきたわけか。
曖昧な記憶がどこまで本当かは分からないが、ここに連れて来られたのは不本意。私のせいではない。絶対に。
だから、
「帰る…」
という決断に至るわけで。
「えー、帰んの?なんで?」
ぶーぶー言う佐々木夕越しに見えるのは、陽ちゃんと金髪と、何故か爆睡している長谷川蓮。
勢揃いじゃねぇか。
なんでと言われても、帰りたいから帰るんだけどそれ以上に理由があるのか。
「帰りたい…切実に」
「切実に笑」
「夕お前嫌われてんぞ」
「はぁ?嫌われてんの鳴ちゃんだろ」
「なんで俺なんだよ」
まじでうるさい。
愁さんは素知らぬ顔で座ってるし、この状況で寝ていられる長谷川蓮ってなんなの。
ぎゃーぎゃー言い合ってるチビと金髪をぼけーっと眺めていると、本来の目的に気づく。
「あ、カーディガン返しにきたんじゃん私…」
めちゃめちゃ忘れてた。
しかしそのカーディガンはもう鳴さんが着ていて、いつの間にか彼の手元に返っていたみたいだ。
「そうだよ!なんで鳴ちゃんにカーディガン借りてんの!」
「寒かったんで」
「ほらなー?言ったろ?」
「剥ぎ取りました」
「ただの追い剥ぎ」
「ありがとうございました」
「俺…服剥ぎ取られてお礼言われてんの…?」
だめだ。このままここにいると彼らのペースにもっていかれる。
帰りたい。まじで。よく寝たし。
屋上自体は来てみても、といっても連れてこられたんだが、あぁ、こんなものか、と思えるくらいだった。
すごくびびっていたものほど、終わってみるとそうでもなかった、というのは誰しも経験したことがあるだろう。
が、完全アウェイのコミュニティに単身乗り込むのは精神的に疲れるのだ。しかもそれが個性の強い5人の男ときたら本当に疲弊する。
「愁ちゃん!いいの!?過激ファンの名がすたるよ!?」
佐々木夕が愁さんに駆け寄り、ゆさゆさと身体を揺らす。
「誰が過激ファンだアホが」
やっぱり愁さんって、この人たちと喋ってるとき少しだけ口が悪いよな。
じゃなくて!!!
帰りたいんだってば!!!!
掴みたくはなかったが。
掴んでしまった。
「よく寝れた?」
「あ、おかげさまで…」
隣から銀髪の低い声が聞こえ、寝起きの声で一応ペコリと頭を下げる。
なんだか途中起きた気がしないでもないが、私、銀髪の膝で寝て……いや、考えるのはやめよう。
そもそも階段で寝てたはずなんだけど。
「律ちゃん!なに簡単に愁ちゃんに拾われてんの!!」
目の前のチビ…じゃなくて佐々木夕の攻撃は続く。
「…私拾われたんですか」
「落ちてた」
んなアホな。
あぁそういうことか。愁さんが通りかかって、寝ていた私を連れてきたわけか。
曖昧な記憶がどこまで本当かは分からないが、ここに連れて来られたのは不本意。私のせいではない。絶対に。
だから、
「帰る…」
という決断に至るわけで。
「えー、帰んの?なんで?」
ぶーぶー言う佐々木夕越しに見えるのは、陽ちゃんと金髪と、何故か爆睡している長谷川蓮。
勢揃いじゃねぇか。
なんでと言われても、帰りたいから帰るんだけどそれ以上に理由があるのか。
「帰りたい…切実に」
「切実に笑」
「夕お前嫌われてんぞ」
「はぁ?嫌われてんの鳴ちゃんだろ」
「なんで俺なんだよ」
まじでうるさい。
愁さんは素知らぬ顔で座ってるし、この状況で寝ていられる長谷川蓮ってなんなの。
ぎゃーぎゃー言い合ってるチビと金髪をぼけーっと眺めていると、本来の目的に気づく。
「あ、カーディガン返しにきたんじゃん私…」
めちゃめちゃ忘れてた。
しかしそのカーディガンはもう鳴さんが着ていて、いつの間にか彼の手元に返っていたみたいだ。
「そうだよ!なんで鳴ちゃんにカーディガン借りてんの!」
「寒かったんで」
「ほらなー?言ったろ?」
「剥ぎ取りました」
「ただの追い剥ぎ」
「ありがとうございました」
「俺…服剥ぎ取られてお礼言われてんの…?」
だめだ。このままここにいると彼らのペースにもっていかれる。
帰りたい。まじで。よく寝たし。
屋上自体は来てみても、といっても連れてこられたんだが、あぁ、こんなものか、と思えるくらいだった。
すごくびびっていたものほど、終わってみるとそうでもなかった、というのは誰しも経験したことがあるだろう。
が、完全アウェイのコミュニティに単身乗り込むのは精神的に疲れるのだ。しかもそれが個性の強い5人の男ときたら本当に疲弊する。
「愁ちゃん!いいの!?過激ファンの名がすたるよ!?」
佐々木夕が愁さんに駆け寄り、ゆさゆさと身体を揺らす。
「誰が過激ファンだアホが」
やっぱり愁さんって、この人たちと喋ってるとき少しだけ口が悪いよな。
じゃなくて!!!
帰りたいんだってば!!!!