狂気のお姫様
【side 如月陽介】

律が帰ってから、夕と鳴はぶーぶー文句を垂れていて、こいつらどんだけ律のこと気に入ってんだよ、と突っ込みたくなる。

自分としては、妹にちょっかい出す友達、ぐらいに思っているのだが、4人が律をどう思っているかは知らない。

まぁ、対峙しないだけマシかとは思うが、もしこいつらとタッグを組んだ暁にはこの学校が崩壊仕兼ねないだろう。



「さ、蓮起きろ」

「蓮ちゃーん」

「おう…」


相変わらず自由な蓮を起こすと、目をしょぼしょぼさせながらムクリと起き上がる。


「なーんか、不穏だな最近」

「なんでだと思う」

「誰かがけしかけてんじゃねぇの」

「めんどくせ」


今からはじまるのは、ちょっとした報告。


「3年は?」

「あれはいつものことだろ。単に俺らが気に入らないだけだ」

「愁ちゃんがボコッたんでしょ?」

「んー」


愁は短く返事をすると、壁にもたれて目を瞑る。

「こないだ蓮と夕のとこに来た奴らも別?」

「あれはまた違うんじゃね?ただの愁ちゃんファンでしょ」


いきなり校内に不法侵入してきた他校の奴らが蓮と夕に殺られ、何故か穴に詰められた話は記憶に新しいだろう。




「今日の相手は面倒だったけど」

「俺らのことチームかなんかと勘違いしてんじゃね?」

「天って別に俺らが言い出したわけじゃないんだけどな」

「他校には分からないだろ」


今日、それぞれが登校中、他校の連中に襲われたのだ。

5人が同じ時間に別々の場所で襲われるのは今までなかった。ということは、誰かが俺らを狙っていることは間違いない。



「ていうか他校は他校だけど、あれ族じゃね?」

「え、やっぱそうなの?」


驚いている夕とは裏腹に、鳴の言葉に思わず項垂れる。



族となると、また面倒なんだよな。

そもそも俺らをチームと勘違いしているのも困る。そんなことジローさんに知られてみろ。『お前、族なんかつくって遊んでんのか?あ?』と瞬殺される。やめてほしい。

そりゃ東堂にも元族はいるが、ちゃんと関係を絶っている者ばかり。

族と関与している組も中にはいるらしいが、本業と族では全くレベルが違う。たかが学生の後ろ盾を組がするのはリスクが大きいし、場合によっては組の質も落ちる。

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