狂気のお姫様
が、
「あんた誰」
その上をいくのが羽賀愁という男らしい。
「…」
「…」
「…え?」
ちなみに今声をあげたのは鹿島杏奈である。
わー、まさかの。まさかすぎて私でさえびっくりした。羽賀愁って、鹿島杏奈が屋上に来た時名前聞いたんじゃなかったっけ。それで鹿島杏奈が『天に認められた』などとほざいてたんじゃ…。
あまりの衝撃にその場にいる人は呆然としている。当の本人鹿島杏奈も状況を飲み込めていない様子。
チラリと四ツ谷鳴を見ると、笑いを堪えてるように見える。こうなることを予想していたな。
「や、やだー、こないだ屋上で会ったじゃないですかー!私ちゃんと名乗りましたからね!」
お、ここで持ち直すのは至難の業だが、なかなかメンタル強いじゃないか鹿島杏奈。
「鳴、カレーパン買ってきて」
いや無視!!!!!!!!!!!!!!!!
さすがに鹿島杏奈も明らかに顔が引き攣っている。あらら、化けの皮が剥がれるにはまだちょっと早いぞ。そしてカレーパンが似合わんのだと何回言えばいいのだ。
「なかったから今日機嫌悪いんだろうが」
「…」
嘘でしょ!ほんとにカレーパンがなかったから機嫌悪いの!!!さっき私『そんな人間いるの』とか言っちゃってたわ!!
「うざ」
拗ねてらっしゃる!可愛い!似合わんけど!可愛いと思っちゃったわ!!!銀髪だけど!!何考えてるのか分かんないけど!
「律、飴持ってない?」
「あ、え?飴?」
いきなり話を振られたので普通に狼狽える。
え、この人サラッと呼び捨てしたけど。あ、鹿島杏奈睨んでる。今までの比じゃないくらい睨んでらっしゃるわ。
そして、
「レモンのなら…」
あるんだよな!飴が!!!!
こないだも『飴ない?』って言ってたけど、何この人、飴も好きなの?え、カレーパンがない時は飴で代用?タイプ違いすぎるわ。
「ん」
「あ、はい、どうぞ」
手を出してきたので思わずレモン味の飴を渡すと、すぐさま口の中に放り込んでガリガリ噛んでらっしゃる。
飴は…噛むものじゃないよ。
ちょっと…ちょっと待て!!
これいつまでたっても昼飯にありつけないんじゃないか。
ちょっと小田助けろ。助けろ小田。
助けろと言ったところで小田が助けてくれる確率は限りなく0に近いが…いや、もはやマイナスではあるが、一縷の望みを胸にチラリと小田を見ると、
「お前も修行するか小田」
わお!!長谷川蓮に絡まれてらっしゃる!!!!!!