狂気のお姫様
【side 小田奏見】
四ツ谷さんの姿が見えたところで、壁と同化した。
すまんな東堂。お前は生贄だ。
さっきから東堂の視線がバッシバッシ刺さっていることは分かっているが、絶対に目を合わせない。もはや閉じている。
鹿島杏奈ズとバトるまでは良かった。東堂が勝つことは分かりきってたし、東堂の生修羅場ほど面白いものはないからだ。案の定平然と言い負かす東堂には拍手喝采であった。
しかし、四ツ谷さんは聞いてない。
無理。普通に無理怖い。
かっこいいし、見れたらラッキーなのも分かる。が、会話したり関わるのは違う。無理。
東堂が如月さんと知り合いということもあり、私も天の人たちと話す機会は多いが、正直怖いからあまり関わりたくないのが本音。だからすぐさま東堂を盾にするのに…ちゃっかり私を掴んで離さない東堂は相当私のことが好きなんだろうな。
まだ長谷川さんと佐々木さんはいい。長谷川さんは絶対アホだし、佐々木さんは可愛い顔して言うことえげつないけど裏表がなさそうだ。
そして多分如月さんも、東堂を叱るくらいだからきっといい人なんだろう。
しかし、四ツ谷さんと羽賀さんは別だ。四ツ谷さんは女好きだから女の子には基本優しいが、地雷を踏むとボロ雑巾のように扱われるし、羽賀さんは…よく分からないけどまず見た目が人間じゃないし、噂でやばいと聞いてるので多分やばいんだろう。
よく相手するよな東堂も。東堂だからできることなんだろうなとは思うけど。
あー、お腹減った。
「知らね。カレーパンでもなかったんじゃねぇの」
「いやそんな人間いるんですか」
ソロッと目を開ける。あ、東堂めちゃめちゃ面倒くさそうな顔してる。
ちょこちょこ聞こえてくる会話に耳を傾けながらも、壁と同化することは忘れない。
「今日も朝から遅刻してきたかと思えば目に入る奴なぎ倒してさぁ」
闘牛かよ。
思わず心の中で突っ込んでしまった。絶対東堂も同じこと思ってるんだろうな。
また目を閉じる。
そういえばこの前、違うクラスの子に『なんで東堂さんと一緒にいるの』って聞かれたんだよな。
なんでって言われても……、なんでかは知らん。ウマが合うからじゃないのって感じだけど。
とりあえず東堂にマイナスのイメージを持ってる人たちっぽかったので、『ちょっと…ね…』とわざと言葉を濁したら、東堂に弱みを握られてる哀れな奴と思われたらしい。ラッキー。
可哀想な目で見られたのは癪だが、私が標的にならないのならまあいい。
鹿島杏奈の耳にこれが入ったら、私を仲間にしようとするかもしれないのでそれが面倒なんだよなぁ。
ただ、このことを東堂には伝えてないので、バレたときには絶対怒られる。ま、そん時はそん時だ。さすがに悪いなと思うのでねり梅ぐらいなら奢ってやろうと思う。しかも5個。太っ腹だな私。
あー、早く終わんないかな東堂。
いつの間にか羽賀さんも現れていて、周りは騒然。これはまた長丁場になるんじゃ…と昼飯の食べ損ねを危惧していると、
「おい」
と、だいぶ近くで低い声が聞こえてきて、
え、何?私?なんか近くない?と思い目を開けると、
「何やってんだ小田」
「…っ!」
凄まじい寝癖のついた長谷川さんが目の前で怪訝な顔をしていた。
四ツ谷さんの姿が見えたところで、壁と同化した。
すまんな東堂。お前は生贄だ。
さっきから東堂の視線がバッシバッシ刺さっていることは分かっているが、絶対に目を合わせない。もはや閉じている。
鹿島杏奈ズとバトるまでは良かった。東堂が勝つことは分かりきってたし、東堂の生修羅場ほど面白いものはないからだ。案の定平然と言い負かす東堂には拍手喝采であった。
しかし、四ツ谷さんは聞いてない。
無理。普通に無理怖い。
かっこいいし、見れたらラッキーなのも分かる。が、会話したり関わるのは違う。無理。
東堂が如月さんと知り合いということもあり、私も天の人たちと話す機会は多いが、正直怖いからあまり関わりたくないのが本音。だからすぐさま東堂を盾にするのに…ちゃっかり私を掴んで離さない東堂は相当私のことが好きなんだろうな。
まだ長谷川さんと佐々木さんはいい。長谷川さんは絶対アホだし、佐々木さんは可愛い顔して言うことえげつないけど裏表がなさそうだ。
そして多分如月さんも、東堂を叱るくらいだからきっといい人なんだろう。
しかし、四ツ谷さんと羽賀さんは別だ。四ツ谷さんは女好きだから女の子には基本優しいが、地雷を踏むとボロ雑巾のように扱われるし、羽賀さんは…よく分からないけどまず見た目が人間じゃないし、噂でやばいと聞いてるので多分やばいんだろう。
よく相手するよな東堂も。東堂だからできることなんだろうなとは思うけど。
あー、お腹減った。
「知らね。カレーパンでもなかったんじゃねぇの」
「いやそんな人間いるんですか」
ソロッと目を開ける。あ、東堂めちゃめちゃ面倒くさそうな顔してる。
ちょこちょこ聞こえてくる会話に耳を傾けながらも、壁と同化することは忘れない。
「今日も朝から遅刻してきたかと思えば目に入る奴なぎ倒してさぁ」
闘牛かよ。
思わず心の中で突っ込んでしまった。絶対東堂も同じこと思ってるんだろうな。
また目を閉じる。
そういえばこの前、違うクラスの子に『なんで東堂さんと一緒にいるの』って聞かれたんだよな。
なんでって言われても……、なんでかは知らん。ウマが合うからじゃないのって感じだけど。
とりあえず東堂にマイナスのイメージを持ってる人たちっぽかったので、『ちょっと…ね…』とわざと言葉を濁したら、東堂に弱みを握られてる哀れな奴と思われたらしい。ラッキー。
可哀想な目で見られたのは癪だが、私が標的にならないのならまあいい。
鹿島杏奈の耳にこれが入ったら、私を仲間にしようとするかもしれないのでそれが面倒なんだよなぁ。
ただ、このことを東堂には伝えてないので、バレたときには絶対怒られる。ま、そん時はそん時だ。さすがに悪いなと思うのでねり梅ぐらいなら奢ってやろうと思う。しかも5個。太っ腹だな私。
あー、早く終わんないかな東堂。
いつの間にか羽賀さんも現れていて、周りは騒然。これはまた長丁場になるんじゃ…と昼飯の食べ損ねを危惧していると、
「おい」
と、だいぶ近くで低い声が聞こえてきて、
え、何?私?なんか近くない?と思い目を開けると、
「何やってんだ小田」
「…っ!」
凄まじい寝癖のついた長谷川さんが目の前で怪訝な顔をしていた。