狂気のお姫様


「ま、逆恨みされたとしても大丈夫でしょ」

「よくそんなケロッとしてられるな」

だってしょうがないじゃないか。怖くもなんともないんだもの。

「私逃げ足だけは鍛えとかなきゃと思って毎日走り込んでるぞ」

「ねぇガチ笑」

小田って実はバカ?いや、実はっていうか普通にバカだとは思うけど、やっぱりバカなのか。バカで薄情ってもう人間としてどうかと思うぞ小田。


「なんでそんな自信あんの」

「えー、だってとりあえず次の手ぐらいは分かるし」

「今までどんな修羅場をくぐり抜けてきたのあんた…」


修羅場という修羅場ではないけれど、今までくぐり抜けてきたものよりかは遥かに低レベルなので、考えが読みやすいといったほうが正しい。

鹿島杏奈はとりあえずしばらくは大人しくしてるだろう。ここですぐに行動を起こすと、私への逆恨みだと他の奴にもバレてしまいそうだからな。

なので、次1番早く仕掛けてくるとしたら……奴らだな。



ちなみにこないだ絡んできてボコボコにやり返した彼らの携帯はなかなか役に立った。

本人たちはきっと、携帯がないことに焦ってるんだろうなと思うけど。

だけど、自分のだけならまだしも、全員のものがなくなってるんだ。ロックをかけてるとしても、あれほどの力の差を見せつけられた以上、恐怖以外の何物でもないだろう。

自分の携帯で何をされようとしているのか気が気じゃないはずだ。何人かはすぐに解約の手続きを済ませたみたいだ。まぁ、解約される前に調べたいことは調べたからいいんだけどね。陽ちゃんは後ろで見ながらドン引きしてた。解せん。

そして問題のジローさんだが、帰ったときに姿はなく、超絶ラッキーで小躍りした。しかも、ダメになった制服はすぐにさっちゃんが手配してくれたので、もろもろバレずに済んだ。

さっちゃんいい仕事するんだよ。いつも証拠隠滅に力を貸してくれる。ジローさんとこの古株だし、ジローさんよりも年上だからなぁ。あの風格は誰にも出せないと思う。大好きだ。




さて……、ここからが楽しい時間だ。


「東堂悪い顔してるな」

「性格の悪さは小田には負けるぞ」

「え、嘘でしょ。私めっちゃ性格いいのに」

「本当にそう思ってるなら病院行ったほうがいいぞ」


授業の鐘が鳴り、船を漕ぎだした小田をつついては起こし、つついては起こしを繰り返しながらただその時を待つのみである。
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