年の差十五の旦那様 外伝②~いつか、それが『愛』になる~
「はい、大丈夫です。なんか、ご迷惑をおかけしてすみません」

 ぺこりと頭を下げた。

 アルロイさんが私の肩を離さないので、未だに身体が密着している。

 心臓がひときわ大きく音を鳴らしている。アルロイさんに聞こえないかが不安だった。

「アルロイさん」
「はい?」
「そろそろ、離していただけないでしょうか?」

 顔に熱が集まっている。

 照れくさくてまっすぐに顔を見ることができなかった。視線を下げていると、アルロイさんの手が私の肩を掴み直した。

「――俺に触れられるの、嫌ですか?」
「そ、そういうわけじゃ! ただ……その。恥ずかしくて」

 こんな公衆の面前で触れ合っていると、恥ずかしくてどうにかなってしまいそうだ。

 視線をさまよわせつつ、言葉を探す。

「私、本当に男性に免疫がなくて。……今だって、変な顔していそうですし」

 至近距離に男性がいて、しかもその人は私に好意を持っている。

 この状態で冷静を貫ける私じゃない。

「変な顔、見られたくないです……」

 ついつい零すと、アルロイさんの手に力が入った。まるでなにかに耐えているみたい。

「別に変な顔なんてしていないと思いますよ」
「そう、でしょうか?」
「はい。だってあなたはどんな表情をしていても可愛らしいですし」
< 34 / 62 >

この作品をシェア

pagetop