蜜月と甘い嘘 〜忘れられた辣腕社長は記憶を無くした花嫁を離さない〜
彼が私を欲している――。
嬉しいような、怖いような。今まで感じたことのない、胸が締め付けられる程の大きな感情の揺れが牙を剥く。こんな気持ちは初めてで、どう対処して良いのかわからない。私は咄嗟に震える腕で体を押し返すと、彼から少し距離を取った。
「えっとあの……。じゃあ私だけじゃなくて本当に昴さんも、一目惚れしてくれてたの?」
「……うん。まあ、改めて聞かれると恥ずかしいけれど、そういうことだよね」
話の矛先を変えられた彼は、美しい肉食獣の様な表情を一変させると、心配そうに私を見つめる。
「……こんな姑息な小細工した僕は駄目?怒った?」
許しを請うように首を傾げてこちらの顔を覗き込む。可愛らしくもあざとい仕草は、見せ方をわかっててやっているのか無意識なのか。どちらにしてもズルいなあと思いつつ、やっぱり庇護欲がそそられてしまう。
ゴクリと息を飲みこむと、私も謝罪の言葉を口にする。
「……駄目、じゃない。こちらこそごめんなさい。優子から本当の事聞いたら、なんだか居ても立っても居られないくらい恥ずかしくなっちゃって」
「じゃあ仲直りだね。お詫びと言ってはなんだけど、着替えたら僕も手伝うよ」
安心したように私の頭をふわりと撫でると、昴さんは名誉挽回とばかりに慌ただしくキッチンから離れて行く。そんな様子が微笑ましくて、つい自然と頬が緩んでしまう。
そしてその後私達は夕食の仕上げを一緒に行うと、いつも通りに食卓を囲むのだった。
嬉しいような、怖いような。今まで感じたことのない、胸が締め付けられる程の大きな感情の揺れが牙を剥く。こんな気持ちは初めてで、どう対処して良いのかわからない。私は咄嗟に震える腕で体を押し返すと、彼から少し距離を取った。
「えっとあの……。じゃあ私だけじゃなくて本当に昴さんも、一目惚れしてくれてたの?」
「……うん。まあ、改めて聞かれると恥ずかしいけれど、そういうことだよね」
話の矛先を変えられた彼は、美しい肉食獣の様な表情を一変させると、心配そうに私を見つめる。
「……こんな姑息な小細工した僕は駄目?怒った?」
許しを請うように首を傾げてこちらの顔を覗き込む。可愛らしくもあざとい仕草は、見せ方をわかっててやっているのか無意識なのか。どちらにしてもズルいなあと思いつつ、やっぱり庇護欲がそそられてしまう。
ゴクリと息を飲みこむと、私も謝罪の言葉を口にする。
「……駄目、じゃない。こちらこそごめんなさい。優子から本当の事聞いたら、なんだか居ても立っても居られないくらい恥ずかしくなっちゃって」
「じゃあ仲直りだね。お詫びと言ってはなんだけど、着替えたら僕も手伝うよ」
安心したように私の頭をふわりと撫でると、昴さんは名誉挽回とばかりに慌ただしくキッチンから離れて行く。そんな様子が微笑ましくて、つい自然と頬が緩んでしまう。
そしてその後私達は夕食の仕上げを一緒に行うと、いつも通りに食卓を囲むのだった。