早河シリーズ最終幕【人形劇】
──青年エリックは大道芸の人形遣い。
彼は新しいマリオネットを手に入れた。シルビアと名付けられたマリオネットは青色の瞳に金色の髪をなびかせた可愛らしい少女のマリオネットだった。
日々子ども達の前で芸を披露する人形遣いのエリックにシルビアは恋をする。しかしエリックには占い師のアレンという恋人がいた。
シルビアはいつも人間の女のアレンに嫉妬していた。
私は人形だからエリックの隣に居られない。
人形だからエリックに好きになってもらえない。
人形だからエリックとキスもできない。
私が人形ではなく人間だったら、あの人にこの想いを伝えることができるのに。
エリックはマリオネットのシルビアの想いに気付かないまま、彼はシルビアの見ている前でアレンにプロポーズをした。
泣いて喜ぶアレンとエリックはシルビアの見つめる先で愛を誓い合っていた。
その直後、エリックは新しい人形を手に入れて新しい芸の稽古を始める。新しいマリオネットが来たことで、古いマリオネットのシルビアはエリックに使われなくなってしまった。
満月の夜。道具箱の底でシルビアは願う。
ああ、会いたい会いたい、エリックに会いたい。
いきたい行きたい生きたい。
神様、お願いします。命を獲て私はエリックのもとに行きたいのです。
この呪われた糸を引きちぎって、温かい彼の腕の中へ……
シルビアが押し込まれていた道具箱が開かれて糸を垂らしたシルビアが這い出てくる。
そうだ、殺してしまおう
あの女を殺してしまおう
あの女の命を私が貰おう
シルビアは自らの糸を引きちぎり、憎い恋敵、アレンを殺した。アレンの命を獲たシルビアはアレンを失って悲しみに暮れるエリックの前に現れる。
美しい人間の女性に姿を変えたシルビアにエリックは一目で恋に落ちた。シルビアの念願叶って二人は結ばれ、逢瀬を重ねるがシルビアの幸せは永くは続かない。
シルビアが殺したアレンは死ぬ間際にシルビアに予言を残していた。
「雪の降る満月の夜にお前の体は粉々に滅んでしまうだろう」と。
アレンの予言に怯えるシルビアを次第にエリックは訝しく思うようになる。日に日に情緒不安定になるシルビアとエリックの間には喧嘩が絶えなくなり、大喧嘩をした夜にエリックはシルビアを置いて家を出てしまう。
そうして厳しい寒さの冬が訪れ、雪の空には満月が輝いていた。
命のマリオネット、シルビアの体は音を立てて砕けていく。
バキバキバキバキ。それは木が砕ける音。
満月の翌朝にエリックが家に戻った時、部屋の床一面には操り糸と粉々になった木屑が散乱していた。
彼は新しいマリオネットを手に入れた。シルビアと名付けられたマリオネットは青色の瞳に金色の髪をなびかせた可愛らしい少女のマリオネットだった。
日々子ども達の前で芸を披露する人形遣いのエリックにシルビアは恋をする。しかしエリックには占い師のアレンという恋人がいた。
シルビアはいつも人間の女のアレンに嫉妬していた。
私は人形だからエリックの隣に居られない。
人形だからエリックに好きになってもらえない。
人形だからエリックとキスもできない。
私が人形ではなく人間だったら、あの人にこの想いを伝えることができるのに。
エリックはマリオネットのシルビアの想いに気付かないまま、彼はシルビアの見ている前でアレンにプロポーズをした。
泣いて喜ぶアレンとエリックはシルビアの見つめる先で愛を誓い合っていた。
その直後、エリックは新しい人形を手に入れて新しい芸の稽古を始める。新しいマリオネットが来たことで、古いマリオネットのシルビアはエリックに使われなくなってしまった。
満月の夜。道具箱の底でシルビアは願う。
ああ、会いたい会いたい、エリックに会いたい。
いきたい行きたい生きたい。
神様、お願いします。命を獲て私はエリックのもとに行きたいのです。
この呪われた糸を引きちぎって、温かい彼の腕の中へ……
シルビアが押し込まれていた道具箱が開かれて糸を垂らしたシルビアが這い出てくる。
そうだ、殺してしまおう
あの女を殺してしまおう
あの女の命を私が貰おう
シルビアは自らの糸を引きちぎり、憎い恋敵、アレンを殺した。アレンの命を獲たシルビアはアレンを失って悲しみに暮れるエリックの前に現れる。
美しい人間の女性に姿を変えたシルビアにエリックは一目で恋に落ちた。シルビアの念願叶って二人は結ばれ、逢瀬を重ねるがシルビアの幸せは永くは続かない。
シルビアが殺したアレンは死ぬ間際にシルビアに予言を残していた。
「雪の降る満月の夜にお前の体は粉々に滅んでしまうだろう」と。
アレンの予言に怯えるシルビアを次第にエリックは訝しく思うようになる。日に日に情緒不安定になるシルビアとエリックの間には喧嘩が絶えなくなり、大喧嘩をした夜にエリックはシルビアを置いて家を出てしまう。
そうして厳しい寒さの冬が訪れ、雪の空には満月が輝いていた。
命のマリオネット、シルビアの体は音を立てて砕けていく。
バキバキバキバキ。それは木が砕ける音。
満月の翌朝にエリックが家に戻った時、部屋の床一面には操り糸と粉々になった木屑が散乱していた。