早河シリーズ短編集【masquerade】
4月27日(Fri)
仕事に追われて木曜日が過ぎ、金曜日の朝を迎えた。
『今日の飲み会どこでやるんだ?』
「新宿駅の近くの居酒屋だよ。うーん……今日はこっちかな」
隼人のネクタイを選ぶのは美月の役目。彼女は今日のネクタイを選んで隼人に渡した。ネクタイを結ぶ隼人が着替えを始めた美月を一瞥する。
『飲み会に来る男は何人?』
「私を入れて六人のグループで男の子は三人。心配?」
『当然。美月のことは信じてる。俺が信用できないのは男の方』
隼人が美月の腕を引き寄せてそのまま二人はベッドに倒れ込む。彼は着替え途中の美月の部屋着を素早く脱がせ、下着の隙間から彼女の肌にキスをした。
「隼人、時間が……」
『30分くらいイチャついても余裕で間に合う』
「隼人はもう着替えてるから余裕だけど……自分だけズルい」
『俺だけ着替えて、美月が下着姿って燃えるよな』
今朝は二人とも早起きで支度も早めに取りかかり、家を出るまでまだ時間はある。締めたばかりのネクタイを緩める隼人の仕草にドキドキが止まらない。
どんな瞬間も絵になる隼人は本当にズルい。こんな時でも、彼の一挙一動にどぎまぎしてしまう美月だった。
『三人の男を威嚇と牽制しなくちゃいけないから、キスマークは五個つけよう』
「誰もそんなの見ないでしょっ! っていうかなんで三人なのに五個なのよ?」
『見ないからいいんだよ。つーか見たら許さねぇ。五個は俺の気分』
隼人は美月のブラジャーをずらして胸の先端に口付けする。ビクッと身体が震えた美月は身をよじらせるが、隼人に両手を掴まれて逃げられない。
『こらこら。逃げないの』
「んっ……。だって……こんな朝から……、あっ……!」
朝の清々しい光に包まれた羞恥な行為は、威風堂々と空に輝く太陽に少しだけ背いているみたいだ。
『朝だから逆に興奮しない? まだあと四つ、キスマークつけないと。後ろ向いて』
言われるがまま美月はうつ伏せになった。瞬時にショーツが脱がされて現れた肌にまたひとつ、チクッと甘い痛みを伴って赤い刻印が印される。
隼人はうつ伏せの美月に覆い被さり、ブラジャーのホックが外れた背中にもキスマークをつけた。これで、つけられたキスマークは三つだ。
『雄は雄の匂いがわかるからな。今日は俺の匂いを目一杯つけてやるよ。俺のものだから手を出すなって威嚇』
「バカ……エロ帝王……!」
『バカでエロ帝王でけっこうですよ? あと残り二つ、どこにつけるかわかってるよな?』
顔を後ろに向けると隼人の濡れた唇が視界に入った。その赤い唇が今度はどこに押し当てられるのか、美月は知っている。
再び仰向けに寝かされた美月の太ももの内側に隼人が潜り込んだ。
そこだけは、本当に隼人にしか見えない場所。隼人にしか見せない場所。
太ももの付け根を舌でなぞられ、とろみのある敏感な場所に隼人の唇が触れた。肌に触れる隼人の吐息が熱かった。
「あっ……ん!」
『いい声。その可愛い声、もっと聞かせて』
ベッドが軋んでシーツが擦れる。蜜壺にぬぷりと侵入した隼人の指と舌が動くたび、明るい部屋にクチュクチュと響く淫らな水音。
朝から色気駄々漏れな旦那の餌にされても不満が漏れるのは口だけ。ことごとく美月の周りの男性社員を牽制する隼人の子どもっぽい独占欲が嬉しくなる。
(こんな子どもっぽい隼人を知ってるのは私だけかも)
美月が初めて会った時の隼人はポーカーフェイスで飄々としていた。彼と接するうちに次第に見えてくる知らなかった一面、美月しか知らない隼人の本当の顔。
身体につけられた独占欲の赤い刻印。見える位置にはつけられなかった五つのソレは、衣服を身につけると完全に隠れた。
二人しか知らない二人だけの秘密の証。
仕事に追われて木曜日が過ぎ、金曜日の朝を迎えた。
『今日の飲み会どこでやるんだ?』
「新宿駅の近くの居酒屋だよ。うーん……今日はこっちかな」
隼人のネクタイを選ぶのは美月の役目。彼女は今日のネクタイを選んで隼人に渡した。ネクタイを結ぶ隼人が着替えを始めた美月を一瞥する。
『飲み会に来る男は何人?』
「私を入れて六人のグループで男の子は三人。心配?」
『当然。美月のことは信じてる。俺が信用できないのは男の方』
隼人が美月の腕を引き寄せてそのまま二人はベッドに倒れ込む。彼は着替え途中の美月の部屋着を素早く脱がせ、下着の隙間から彼女の肌にキスをした。
「隼人、時間が……」
『30分くらいイチャついても余裕で間に合う』
「隼人はもう着替えてるから余裕だけど……自分だけズルい」
『俺だけ着替えて、美月が下着姿って燃えるよな』
今朝は二人とも早起きで支度も早めに取りかかり、家を出るまでまだ時間はある。締めたばかりのネクタイを緩める隼人の仕草にドキドキが止まらない。
どんな瞬間も絵になる隼人は本当にズルい。こんな時でも、彼の一挙一動にどぎまぎしてしまう美月だった。
『三人の男を威嚇と牽制しなくちゃいけないから、キスマークは五個つけよう』
「誰もそんなの見ないでしょっ! っていうかなんで三人なのに五個なのよ?」
『見ないからいいんだよ。つーか見たら許さねぇ。五個は俺の気分』
隼人は美月のブラジャーをずらして胸の先端に口付けする。ビクッと身体が震えた美月は身をよじらせるが、隼人に両手を掴まれて逃げられない。
『こらこら。逃げないの』
「んっ……。だって……こんな朝から……、あっ……!」
朝の清々しい光に包まれた羞恥な行為は、威風堂々と空に輝く太陽に少しだけ背いているみたいだ。
『朝だから逆に興奮しない? まだあと四つ、キスマークつけないと。後ろ向いて』
言われるがまま美月はうつ伏せになった。瞬時にショーツが脱がされて現れた肌にまたひとつ、チクッと甘い痛みを伴って赤い刻印が印される。
隼人はうつ伏せの美月に覆い被さり、ブラジャーのホックが外れた背中にもキスマークをつけた。これで、つけられたキスマークは三つだ。
『雄は雄の匂いがわかるからな。今日は俺の匂いを目一杯つけてやるよ。俺のものだから手を出すなって威嚇』
「バカ……エロ帝王……!」
『バカでエロ帝王でけっこうですよ? あと残り二つ、どこにつけるかわかってるよな?』
顔を後ろに向けると隼人の濡れた唇が視界に入った。その赤い唇が今度はどこに押し当てられるのか、美月は知っている。
再び仰向けに寝かされた美月の太ももの内側に隼人が潜り込んだ。
そこだけは、本当に隼人にしか見えない場所。隼人にしか見せない場所。
太ももの付け根を舌でなぞられ、とろみのある敏感な場所に隼人の唇が触れた。肌に触れる隼人の吐息が熱かった。
「あっ……ん!」
『いい声。その可愛い声、もっと聞かせて』
ベッドが軋んでシーツが擦れる。蜜壺にぬぷりと侵入した隼人の指と舌が動くたび、明るい部屋にクチュクチュと響く淫らな水音。
朝から色気駄々漏れな旦那の餌にされても不満が漏れるのは口だけ。ことごとく美月の周りの男性社員を牽制する隼人の子どもっぽい独占欲が嬉しくなる。
(こんな子どもっぽい隼人を知ってるのは私だけかも)
美月が初めて会った時の隼人はポーカーフェイスで飄々としていた。彼と接するうちに次第に見えてくる知らなかった一面、美月しか知らない隼人の本当の顔。
身体につけられた独占欲の赤い刻印。見える位置にはつけられなかった五つのソレは、衣服を身につけると完全に隠れた。
二人しか知らない二人だけの秘密の証。