早河シリーズ短編集【masquerade】
美月がブルーミングハウスに入社して1ヶ月が過ぎようとしている。新入社員研修は来週で終了し、ゴールデンウィーク明けには社員達はそれぞれ配属された部署での勤務が待っている。
今日は配属先が社員に通知される日だった。美月は大学在学中に取得したインテリアコーディネーターの資格を高く評価されて、トータルコーディネート部配属となった。
トータルコーディネート部はショールームを訪れたお客様への接客、インテリアとエクステリア提案、顧客の要望に沿ったインテリア計画を設計する部署。インテリア、エクステリアの知識や高いコミュニケーション能力が要求される。
「美月ちゃんは池田くんと同じ部署か。いいなぁ」
「池田くんコミュ力高いから納得ー!」
美月は研修のグループワークで同じグループの清水麻子と森下薫と昼休みを共にする。このグループでは、美月と池田がトータルコーディネート部配属となった。
「池田くん彼女いるのかな?」
「大学時代にはいたっぽいけど今はいないってさ」
「麻子ちゃん情報早っ。じゃあ今日狙っちゃおうかなー」
「えー、薫ちゃんズルい。池田くんは私が最初に目を付けたのー!」
麻子と薫は池田の話に花を咲かせている。他の新入社員の女の子達にも池田は人気らしく、至るところで彼の噂話が聞こえてくる。
「でも池田くんって美月ちゃんには特別優しいよね」
「わかるわかる。私達とはちょっと態度違うっていうか、あからさまだよね。美月ちゃんは池田くんのことどう思う?」
突然話題を振られて美月は卵焼きを食べる手を止めた。隼人も今頃は美月の手作り弁当を食べている頃だと考えていたところに、池田の話題だ。
「どうって……よくフォローしてくれるとは思うけど、私がボーッとしてて頼りないからじゃないかな」
「いやいや、アレは……ねぇ? 薫ちゃん?」
「うん、アレはねぇ。だけど美月ちゃん結婚してるから、可哀想だけど池田くんも脈なしだよね」
弁当箱に添えられた美月の左手薬指には指輪が光っている。麻子が身を乗り出して、向かい側の美月の顔をまじまじと見た。
「今日の美月ちゃん、いつもと違う。ファンデ変えた? お肌ツヤツヤ」
「ホントだ! もしかして旦那様と良いことあった? フェロモン漂ってる感じするよぉ?」
麻子と薫に指摘されて美月は無意識に胸元を押さえた。服で隠れたその辺りには隼人が今朝つけたキスマークが存在する。
今日は配属先が社員に通知される日だった。美月は大学在学中に取得したインテリアコーディネーターの資格を高く評価されて、トータルコーディネート部配属となった。
トータルコーディネート部はショールームを訪れたお客様への接客、インテリアとエクステリア提案、顧客の要望に沿ったインテリア計画を設計する部署。インテリア、エクステリアの知識や高いコミュニケーション能力が要求される。
「美月ちゃんは池田くんと同じ部署か。いいなぁ」
「池田くんコミュ力高いから納得ー!」
美月は研修のグループワークで同じグループの清水麻子と森下薫と昼休みを共にする。このグループでは、美月と池田がトータルコーディネート部配属となった。
「池田くん彼女いるのかな?」
「大学時代にはいたっぽいけど今はいないってさ」
「麻子ちゃん情報早っ。じゃあ今日狙っちゃおうかなー」
「えー、薫ちゃんズルい。池田くんは私が最初に目を付けたのー!」
麻子と薫は池田の話に花を咲かせている。他の新入社員の女の子達にも池田は人気らしく、至るところで彼の噂話が聞こえてくる。
「でも池田くんって美月ちゃんには特別優しいよね」
「わかるわかる。私達とはちょっと態度違うっていうか、あからさまだよね。美月ちゃんは池田くんのことどう思う?」
突然話題を振られて美月は卵焼きを食べる手を止めた。隼人も今頃は美月の手作り弁当を食べている頃だと考えていたところに、池田の話題だ。
「どうって……よくフォローしてくれるとは思うけど、私がボーッとしてて頼りないからじゃないかな」
「いやいや、アレは……ねぇ? 薫ちゃん?」
「うん、アレはねぇ。だけど美月ちゃん結婚してるから、可哀想だけど池田くんも脈なしだよね」
弁当箱に添えられた美月の左手薬指には指輪が光っている。麻子が身を乗り出して、向かい側の美月の顔をまじまじと見た。
「今日の美月ちゃん、いつもと違う。ファンデ変えた? お肌ツヤツヤ」
「ホントだ! もしかして旦那様と良いことあった? フェロモン漂ってる感じするよぉ?」
麻子と薫に指摘されて美月は無意識に胸元を押さえた。服で隠れたその辺りには隼人が今朝つけたキスマークが存在する。