早河シリーズ短編集【masquerade】
1ヶ月間の新入社員研修終了後、美月はブルーミングハウスのトータルコーディネート部配属となった。トータルコーディネート部の新入社員は美月と池田を含めた男女八名。
新入社員の指導係は新見千鶴。彼女はトータルコーディネート部インテリアデザインチームの主任だ。
気さくで笑顔を絶やさない千鶴の人柄は、毎日が緊張の連続の新入社員達を和ませる。
「明日から二人一組のペアで時間事にショールームの業務を始めます。ペアは日替わりで変わるから、皆自分の時間帯をチェックしておくこと」
千鶴が社員八人にペアのローテーション表の用紙を配る。美月は明日の14時から16時までの2時間、新宿区内のショールーム業務となっていた。
明日のペアは松永と言う男性社員とだ。隼人や亀山に注意を促された池田とは、来週月曜と水曜にペアが組まれていた。
あの飲み会の日から池田の態度に変わった様子はない。朝に顔を合わせれば挨拶をし、同じ業務をこなしてたまにフォローを入れてくれる。研修の時と同じだ。
二次会の後に隼人の迎えが来ているのを承知で、あの時に池田が伝えたかったことは謎のまま。
今日の昼休みは久しぶりに研修仲間の麻子と薫とランチの約束をしている。弁当箱を持って本社の屋上庭園に行くと二人が待っていた。
「遅くなってごめんね」
「いいよぉー。午前の部お疲れ様!」
ウッドデッキに設置されたベンチに座る薫の横に美月が腰掛ける。向かい側には麻子がいた。
薫が所属する広報部のフロアとトータルコーディネート部はフロアが一階違いで近いこともあって、薫とはエレベーターで頻繁に顔を合わせていたが、麻子と会うのはゴールデンウィーク前の最後の研修以来だった。
「麻子ちゃんどうしたの? 元気ないように見えるけど……」
浮かない顔でコンビニ弁当を食べる麻子が顔を上げた。
「ちょっとね。薫ちゃんには話したんだけどさ……」
そこで麻子は薫に目を向ける。二人はアイコンタクトをとって、言いにくそうな麻子の代わりに薫が話を始めた。
「打ち上げの飲み会で、ゴールデンウィークに皆で遊ぼうって麻子ちゃんが言い出したでしょ?」
「私や薫ちゃんは予定合わなくて参加できなかったんだよね」
「そうそう。結局は池田くんもパスして、麻子ちゃんと鈴川くんの二人で遊んだんだって。そこでね……」
薫が麻子を小突く。ここからは自分で言えのサインだ。薫からバトンを渡された麻子は顔を手で覆った。
新入社員の指導係は新見千鶴。彼女はトータルコーディネート部インテリアデザインチームの主任だ。
気さくで笑顔を絶やさない千鶴の人柄は、毎日が緊張の連続の新入社員達を和ませる。
「明日から二人一組のペアで時間事にショールームの業務を始めます。ペアは日替わりで変わるから、皆自分の時間帯をチェックしておくこと」
千鶴が社員八人にペアのローテーション表の用紙を配る。美月は明日の14時から16時までの2時間、新宿区内のショールーム業務となっていた。
明日のペアは松永と言う男性社員とだ。隼人や亀山に注意を促された池田とは、来週月曜と水曜にペアが組まれていた。
あの飲み会の日から池田の態度に変わった様子はない。朝に顔を合わせれば挨拶をし、同じ業務をこなしてたまにフォローを入れてくれる。研修の時と同じだ。
二次会の後に隼人の迎えが来ているのを承知で、あの時に池田が伝えたかったことは謎のまま。
今日の昼休みは久しぶりに研修仲間の麻子と薫とランチの約束をしている。弁当箱を持って本社の屋上庭園に行くと二人が待っていた。
「遅くなってごめんね」
「いいよぉー。午前の部お疲れ様!」
ウッドデッキに設置されたベンチに座る薫の横に美月が腰掛ける。向かい側には麻子がいた。
薫が所属する広報部のフロアとトータルコーディネート部はフロアが一階違いで近いこともあって、薫とはエレベーターで頻繁に顔を合わせていたが、麻子と会うのはゴールデンウィーク前の最後の研修以来だった。
「麻子ちゃんどうしたの? 元気ないように見えるけど……」
浮かない顔でコンビニ弁当を食べる麻子が顔を上げた。
「ちょっとね。薫ちゃんには話したんだけどさ……」
そこで麻子は薫に目を向ける。二人はアイコンタクトをとって、言いにくそうな麻子の代わりに薫が話を始めた。
「打ち上げの飲み会で、ゴールデンウィークに皆で遊ぼうって麻子ちゃんが言い出したでしょ?」
「私や薫ちゃんは予定合わなくて参加できなかったんだよね」
「そうそう。結局は池田くんもパスして、麻子ちゃんと鈴川くんの二人で遊んだんだって。そこでね……」
薫が麻子を小突く。ここからは自分で言えのサインだ。薫からバトンを渡された麻子は顔を手で覆った。