The previous night of the world revolution2〜A.D.〜
俺は自宅のマンションに帰り着き、ロックを開けて部屋に入った。

「ここが俺の家だ」

「…広いですね」

「そうか?」

まぁ、独り暮らしにしては充分なスペース、かな?

俺がこのマンションを選んだのは、部屋の広さや立地ではない。

セキュリティがしっかりしているからだ。

「しかも、上から二番目のフロア…。あなた、お金持ちなんですね」

「…」

金持ち…と言われると、あまり否定は出来ない。

確かに、ルティス帝国の基準で考えると、俺は裕福な方に入る。

仕事が仕事だからな。

ちなみに最上階の部屋にしなかったのは、万一暗殺者が俺の命を狙った場合を考慮してのことである。

最上階に住んでいると、屋上に罠を張りたい放題だからな。

「…それより、まずシャワー浴びてこい。何か食べるもの作るから」

「…良いんですか」

「良くなかったら連れてこないよ」

「…じゃあ、お言葉に甘えて」

「バスルーム、そこの突き当たりな」

こくんと頷いて、フューニャはバスルームに入っていった。

あ、着替えどうしよう…。独り暮しの俺の家には当然、女物の服なんてないし…。あったらそれはそれで問題だけど。

仕方ないから、俺のトレーナーとスウェットを着てもらうことにしよう。

ちゃんと新品をな。

で、その間に俺は…何か、食べるものを作ろう。

残念ながらそんなに料理は上手くないから、簡単なものになってしまうが…。
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