ハイスぺ年下救命医は強がりママを一途に追いかけ手放さない
そのとき、内線が鳴った。受付からだ。
「はい、武藤です」
『国内特販部の武藤さんにお客様です』
来客の予定はない。嫌な予感がじわじわと背筋を這いあがってきた。二年以上前、こうやって和馬の父親は職場を訪ねてきたのだ。
また、やってきたというのだろうか。いや、それなら直接言いたいことを言ってしまおう。
しかし、私のそんな覚悟は受付の女性の言葉でひっくり返った。
『峯田物産の峯田麗亜様です』
別の意味でぞっとした。その名前は、和馬の元縁談相手……。
以前、和馬の父親と会った打ち合わせスペースで彼女は待っていた。違ったのは私を見つけると立ち上がり、深々とお辞儀をしたことだった。今日は着物ではなく、清楚なワンピース姿だ。
「こんにちは、今日はどういったご用件ですか?」
わざわざ職場でしたい話ではないだろうと想像がついた。早々に話を終えたい。
「武藤月子さん、恐れ入りますがあなたのことは調べさせていただきました。和馬さんの大学の先輩でひとつ年上だそうですね。同じ写真サークルに所属していたとか。交際は約三年前から。一時的に離れたりしたようですけれど、今は事実婚という形をとっていらっしゃるんですね」
和馬の父親もそうだけれど、他人のことを調べるのに躊躇いがないのだろうか。会社まで押しかける人だ。プライバシーにずけずけ踏み込んできている自覚もないだろう。
「はい、武藤です」
『国内特販部の武藤さんにお客様です』
来客の予定はない。嫌な予感がじわじわと背筋を這いあがってきた。二年以上前、こうやって和馬の父親は職場を訪ねてきたのだ。
また、やってきたというのだろうか。いや、それなら直接言いたいことを言ってしまおう。
しかし、私のそんな覚悟は受付の女性の言葉でひっくり返った。
『峯田物産の峯田麗亜様です』
別の意味でぞっとした。その名前は、和馬の元縁談相手……。
以前、和馬の父親と会った打ち合わせスペースで彼女は待っていた。違ったのは私を見つけると立ち上がり、深々とお辞儀をしたことだった。今日は着物ではなく、清楚なワンピース姿だ。
「こんにちは、今日はどういったご用件ですか?」
わざわざ職場でしたい話ではないだろうと想像がついた。早々に話を終えたい。
「武藤月子さん、恐れ入りますがあなたのことは調べさせていただきました。和馬さんの大学の先輩でひとつ年上だそうですね。同じ写真サークルに所属していたとか。交際は約三年前から。一時的に離れたりしたようですけれど、今は事実婚という形をとっていらっしゃるんですね」
和馬の父親もそうだけれど、他人のことを調べるのに躊躇いがないのだろうか。会社まで押しかける人だ。プライバシーにずけずけ踏み込んできている自覚もないだろう。