ハイスぺ年下救命医は強がりママを一途に追いかけ手放さない
動物園を歩き回り、写真を撮り、お昼を食べると真優紀はぐっすりと眠りこけてしまった。はしゃぎすぎたのだろう。動物園はまだ半分ほどしか回れていないけれど、ベビーカーで寝息をたてる真優紀は起きる気配もない。

「真優紀は夢の中、ここからはふたりで動物園デートだ」

和馬がベビーカーを押しながら言う。

「付き合っていたとき、動物園は来たことがなかったね」
「ああ、そうだね。写真を撮りに行ったこともなかった」
「和馬も私も、自分の仕事に一生懸命過ぎた。それはそれでよかったと思うけれど、もっとできたことがあったなあって思う」

真優紀が産まれ、私はどうしてもひとりだった頃のようには働けない。周囲が理解を示してくれても、私の心があの頃とは違う。
和馬も、真優紀の存在を知り、おそらくは大幅に働き方を見直してくれているのだろう。そうでなければ、あんなに頻繁に私たちのもとへ通えないはずだ。

「たぶん、同じことを考えてると思うけどさ」

和馬が私の顔にかかった髪をそっと除け、微笑む。

「できなかったことは真優紀と三人で叶えていこうよ。俺たちは、きっとそういうふうに暮らしていけると思う」
「うん。私たち、恋人としてうまくできなかった部分も、親として家族としてうまくできるようになるかな」

私が言うと和馬が私の頭を抱き寄せた。
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