ハイスぺ年下救命医は強がりママを一途に追いかけ手放さない
「恋人としても、うまくいくよ」
「和馬」

包容力のある言葉も態度も温かい。和馬は私に安心をくれる。あの頃よりずっと強い安心だ。

「俺、自分の誕生日って好きなんだ。今日から十月まで、月子と同い年だからね」
「すぐに十月よ。先に三十二歳になります」
「何度もこうやって、追いついて先に行って……ってやっていきたいね」
「うん、そうね」

さわやかな五月の風の下、私たちは飽きることなく歩き続けた。動物たちをくまなく見る頃に真優紀は起き出したけれど、少し遊ぶとまた眠ってしまった。初めての動物園は、おそらく真優紀にとって大満足だっただろう。


その晩は和馬のために料理の腕をふるった。明日には私と真優紀は元の家に戻る。同居までの数か月間、会えないわけではないけれど、今のようにずっと一緒にはいられない。
その分、今夜は家族三人で和馬の誕生日を祝いたかった。

「月子、一日歩き回って疲れてるだろ。張り切り過ぎないでくれよ」
「大丈夫。買い物は事前にしてあるしね」

そう言って私はくるりと振り向く。真優紀を抱っこしている和馬をびしっと指さして忠告。

「今日のメニューはそのまま作り置きメニューになってるから。冷蔵庫のものは一週間以内、冷凍庫のものは一ヵ月以内に食べきってね」
「はは……コンビニごはんばかりはやめろってことだね」
「そう! 白いご飯も冷凍しておくから」

和馬が「はい」と観念したように返事した。
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