ハイスぺ年下救命医は強がりママを一途に追いかけ手放さない
「お父さんは、今後自分からは連絡をしないし関わろうとしないと言っていたけど、私は季節ごとに挨拶に出かけられたらいいと思ってる。結婚式にも呼びたいよ」
「月子がそう言ってくれるなら、ありがたい。あの人は、自分にはその資格がないと思っているだろうし、俺もまだ複雑な部分はあるから」

家族とて一度できたわだかまりは一朝一夕で消えたりしないだろう。時間とそれぞれの努力ができた溝を埋めていくことに繋がるのかもしれない。

「真優紀を孫として大事にしてくれるなら嬉しいもの」

お父さんが真優紀を見る目は、戸惑いが大きかったけれど、そこにはちゃんと愛情もあった。あの表情を見る限り、家族の未来は楽観的に考えていいと思えた。
私の手を和馬の両手が包む。ふと固い感触に、手を握られただけではないと気づく。てのひらを見れば小さな小箱がそこにあった。ベルベットの張られた箱が意味するものは、鈍い私だってわかる。

「和馬……」

涙がじわっと滲んできた。胸が熱くて苦しくなる。

「やっと渡せる日が来たよ」

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