大嫌い同士の大恋愛     ー結婚狂騒曲ー
 その答えに満足した私は、微笑んで返す。
 江陽は、再び私を抱き締めると、その温もりを確かめるように、そこかしこにキスを落としていき――最後は、唇に触れた。
 懐かしさすら覚えるそれに、うっとりとしながらも、応える。
 徐々に体勢は崩れ落ち、そのままベッドに押し倒された。

「……ちょっと、江陽……ご家族いるのに……」

「――我慢も限界だ」

 そう言いながら、私の服の中に手を滑り込ませた。
「こ、江陽!」
 さすがに、私が落ち着けない。
 無理矢理ヤツを引きはがすと、頬をつねった。
「時と場所を選びなさい!この万年発情男!」
「好きな女に触れて、発情しない男なんていねぇよ!この鈍感女!」
「何ですって⁉」
 向かい合って言うだけ言い合い――そして、笑い合う。

「……何で、せっかくの再会に、こんな言い合いしてんだよ、オレ等は」

「……それが、私達でしょう?」

「違いねぇけど」

 江陽は、言いながらも、不満そうに私を見つめる。
「な、何よ……」
「――やっぱり、ホテル行くぞ」
「はあ⁉」
「どれだけ我慢したと思ってんだ、お前?」
 私は、その言葉に、ふい、と、視線を逸らした。
「羽津紀?」
「……か、彼女とは……しなかったの……?」
 もう結婚すると決まっていたのだ。
 そういう流れになっても、おかしくはないだろう。
 すると、江陽は、急に表情をこわばらせた。

「……江陽?」

 ――ああ、もしかしなくても……した、のか。

 そんな思いがよぎり、視線を落とすと、すぐに、ため息をつかれた。
「あのなぁ……お前、根本的なコト、忘れてねぇか」
「え?」
 顔を上げ、キョトンと返すと、不満気に言われた。

「――オレ、筋金入りの女嫌い、だぞ?」

「え、そ、それはそう、だけど……でも……」

 その続きは――口に出したくは無かった。

 ――心と身体は、別物。
 迫られたら――拒絶しきれないかもしれない。

 けれど、ヤツは、辛抱強く私の言葉の続きを待つ。

「……羽津紀」

「……で……できる(・・・)……じゃない……」

「――お前だけだ」

「え?」

 すると、江陽は、私に抱き着き、ふてくされたように言った。

「――オレは、お前以外に勃たねぇ(・・・・)んだよ」

「――……ハァ……??」
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