大嫌い同士の大恋愛 ー結婚狂騒曲ー
江陽は、すがるように、私の手を自分の頬に当てる。
ヤツの涙は――温かくて。
「――……だから……一人でなんて、言うなよ……。――……頼むから……オレを――父親にさせてくれ――……」
――ああ、もう、ダメだ。
この半年――張り詰めていたものは、一気に崩れ去った。
「――うん……っ……!」
私は、涙を隠す事無くうなづいた。
江陽は、瞬間、私を痛いほどに抱き締める。
「……約束だぞ。……もう、逃げるなよ……?」
「……こうちゃん……ごめんなさいっ……ごめんなさい――……!」
あふれてくる想いは、もう、止める事はできなかった。
私は、江陽の胸に縋り付き、子供のように泣きじゃくる。
――本当は――帰りたかった。
一人で、子供を育てる覚悟はしたけど――江陽がいない日々のさみしさは、仕事では埋められなくて――。
本当は、会いたかった。
一緒に生きていきたかった。
いつだって――私を想ってくれていたアンタを忘れるなんて、絶対にできなかったはずなのに。
「――羽津紀」
泣き続ける私を――江陽は、ずっと、抱き締めてくれていた――……。
「……落ち着いたか、羽津紀?」
「……う……ん……」
しゃくり上げながらも、うなづくと、江陽はホッとしたように、私の頭を撫でた。
「……キツかったよな」
「――……へ、平気よっ……」
「今さら、意地張るなよ」
私は、目尻に残った涙を手で拭う。
「……だって――アンタとの想い出は――ちゃんと、あるもの」
そう言って、胸に手を当てる。
もちろん、良い事ばかりじゃない。
――でも、そこに江陽がいるだけで、特別なものに思えるのだ。
「――……バカやろ。……一生、想い出だけで生きる気だったのかよ」
「――……それで、充分だったのに……」
けれど、会ってしまった途端に、その意思はあっけなく崩れてしまった。
江陽は、私の肩を抱き寄せると、そっと、お腹に手を当てる。
「……でも――そっか、あと少しで産まれるのか……」
「――……うん……」
私は、うなづくと、ヤツの胸に顔をうずめた。
「羽津紀?」
「……本当に……江陽なのよね……」
まるで、夢のような展開に、まだ理解が追い付ききれないけれど、その温もりが、現実だと教えてくれるのだ。
「――ああ。夢じゃねぇよ」
「――……そう……よね……」
緊張の糸が切れたのか、私は、徐々に眠気に襲われ、うつらうつらとする。
それを、ヤツは、優しく抱え込んだ。
「……もう、休め。――オレは、ここにいるから」
「……うん……。――……そばに――いてね……こう……ちゃん……」
それだけ言うと、意識は沈んでいき――次に目が覚めれば、ベッドの中で、江陽が私を抱えたまま隣で眠っていた――。
ヤツの涙は――温かくて。
「――……だから……一人でなんて、言うなよ……。――……頼むから……オレを――父親にさせてくれ――……」
――ああ、もう、ダメだ。
この半年――張り詰めていたものは、一気に崩れ去った。
「――うん……っ……!」
私は、涙を隠す事無くうなづいた。
江陽は、瞬間、私を痛いほどに抱き締める。
「……約束だぞ。……もう、逃げるなよ……?」
「……こうちゃん……ごめんなさいっ……ごめんなさい――……!」
あふれてくる想いは、もう、止める事はできなかった。
私は、江陽の胸に縋り付き、子供のように泣きじゃくる。
――本当は――帰りたかった。
一人で、子供を育てる覚悟はしたけど――江陽がいない日々のさみしさは、仕事では埋められなくて――。
本当は、会いたかった。
一緒に生きていきたかった。
いつだって――私を想ってくれていたアンタを忘れるなんて、絶対にできなかったはずなのに。
「――羽津紀」
泣き続ける私を――江陽は、ずっと、抱き締めてくれていた――……。
「……落ち着いたか、羽津紀?」
「……う……ん……」
しゃくり上げながらも、うなづくと、江陽はホッとしたように、私の頭を撫でた。
「……キツかったよな」
「――……へ、平気よっ……」
「今さら、意地張るなよ」
私は、目尻に残った涙を手で拭う。
「……だって――アンタとの想い出は――ちゃんと、あるもの」
そう言って、胸に手を当てる。
もちろん、良い事ばかりじゃない。
――でも、そこに江陽がいるだけで、特別なものに思えるのだ。
「――……バカやろ。……一生、想い出だけで生きる気だったのかよ」
「――……それで、充分だったのに……」
けれど、会ってしまった途端に、その意思はあっけなく崩れてしまった。
江陽は、私の肩を抱き寄せると、そっと、お腹に手を当てる。
「……でも――そっか、あと少しで産まれるのか……」
「――……うん……」
私は、うなづくと、ヤツの胸に顔をうずめた。
「羽津紀?」
「……本当に……江陽なのよね……」
まるで、夢のような展開に、まだ理解が追い付ききれないけれど、その温もりが、現実だと教えてくれるのだ。
「――ああ。夢じゃねぇよ」
「――……そう……よね……」
緊張の糸が切れたのか、私は、徐々に眠気に襲われ、うつらうつらとする。
それを、ヤツは、優しく抱え込んだ。
「……もう、休め。――オレは、ここにいるから」
「……うん……。――……そばに――いてね……こう……ちゃん……」
それだけ言うと、意識は沈んでいき――次に目が覚めれば、ベッドの中で、江陽が私を抱えたまま隣で眠っていた――。