大嫌い同士の大恋愛 ー結婚狂騒曲ー
エピローグ
「……ちょっと、江陽……少しは落ち着きなさいな」
「これが、落ち着けるか!!!」
私は、横になりながら、そわそわと部屋をうろつき回っている江陽を見上げた。
――つい、先ほど――陣痛が来たのだ。
ちょうど、江陽といる時だったので、すぐに入院セットを持つと、かかっていた病院に連絡を入れる。
そして――お産をする部屋に入ったのだけれど――。
私よりも、ヤツの方が動揺していて、看護師さん達が苦笑いしていた。
一応、立会い出産という形なので――コイツもいる訳だけど。
「……あのねぇ……やっぱり、立会いはやめておく?」
「何でだよ!」
「だって、アンタがそんな調子じゃ、私が集中できな――……っ……!!!」
再び来た波に、私は目をキツくつむる。
――どんなに覚悟していようが――やはり、痛いものは痛い。
「おい、羽津紀!」
「……ち、ちょっ……と……黙って、てっ……!」
「あ、ああ」
うなづいた江陽は、恐る恐る私の腰をさすってくれる。
その手の温もりに、ほんの少し痛みは和らいだが――また、陣痛の波は来るのだ。
それが何回も何回も繰り返され、徐々に間隔は短くなっていく。
そして、最後は、痛みで半泣きになりながら、周りの励ましの言葉に力を入れ――。
「おめでとうございます!女の子ですよ!」
どうにか――産む事ができたのだった。
「――やっぱり、可愛いよな……」
「……親の欲目よね……」
無事、母子ともに健康状態も良好で、退院の日――子供を抱いて病院を後にした私達は、江陽の車で家に帰る事に。
この子が産まれた時、私よりも号泣していた江陽は、もう、出産当日から、子煩悩らしい。
私は、セットされたベビーシートに子供を寝かせる。
意外と大物なのか――キョトンとして、私を見やるばかりだ。
「……でも、泣かねぇな……」
「ええ、泣かないわね……」
お腹がすいたり、おむつを替えたり――そういう時以外、泣く機会があまり無い子だった。
特に病気とかではなく、こういう個性のようだ。
江陽は、エンジンをかけると、シート越しに子供をのぞき込む。
そして――優しく、微笑んだ。
「きっと、大物になるぞ」
「――……アンタは、子離れしそうに無いわね……」
「産まれたばかりなのに、先のコト言うな」
そう言って、ヤツは、顔をしかめる。
私は、クスクス、と、笑うだけ。
「……あー……」
すると、彼女は、パタパタと、手足を動かした。
まるで、会話に参加するように。
「おおっ!何言ってるか、わかるのか?!」
はしゃぐ江陽を、私は、あきれながらもたしなめた。
「そろそろ、車を出せ、ですって」
「ンな訳無ぇだろうが」
「でも――早く帰りましょう。……私達の家に」
そう告げると、ヤツは、穏やかに口元を上げる。
「――そうだな。……帰るか……」
幸せを嚙みしめるように言う江陽に、私も、微笑んでうなづいた。
「これが、落ち着けるか!!!」
私は、横になりながら、そわそわと部屋をうろつき回っている江陽を見上げた。
――つい、先ほど――陣痛が来たのだ。
ちょうど、江陽といる時だったので、すぐに入院セットを持つと、かかっていた病院に連絡を入れる。
そして――お産をする部屋に入ったのだけれど――。
私よりも、ヤツの方が動揺していて、看護師さん達が苦笑いしていた。
一応、立会い出産という形なので――コイツもいる訳だけど。
「……あのねぇ……やっぱり、立会いはやめておく?」
「何でだよ!」
「だって、アンタがそんな調子じゃ、私が集中できな――……っ……!!!」
再び来た波に、私は目をキツくつむる。
――どんなに覚悟していようが――やはり、痛いものは痛い。
「おい、羽津紀!」
「……ち、ちょっ……と……黙って、てっ……!」
「あ、ああ」
うなづいた江陽は、恐る恐る私の腰をさすってくれる。
その手の温もりに、ほんの少し痛みは和らいだが――また、陣痛の波は来るのだ。
それが何回も何回も繰り返され、徐々に間隔は短くなっていく。
そして、最後は、痛みで半泣きになりながら、周りの励ましの言葉に力を入れ――。
「おめでとうございます!女の子ですよ!」
どうにか――産む事ができたのだった。
「――やっぱり、可愛いよな……」
「……親の欲目よね……」
無事、母子ともに健康状態も良好で、退院の日――子供を抱いて病院を後にした私達は、江陽の車で家に帰る事に。
この子が産まれた時、私よりも号泣していた江陽は、もう、出産当日から、子煩悩らしい。
私は、セットされたベビーシートに子供を寝かせる。
意外と大物なのか――キョトンとして、私を見やるばかりだ。
「……でも、泣かねぇな……」
「ええ、泣かないわね……」
お腹がすいたり、おむつを替えたり――そういう時以外、泣く機会があまり無い子だった。
特に病気とかではなく、こういう個性のようだ。
江陽は、エンジンをかけると、シート越しに子供をのぞき込む。
そして――優しく、微笑んだ。
「きっと、大物になるぞ」
「――……アンタは、子離れしそうに無いわね……」
「産まれたばかりなのに、先のコト言うな」
そう言って、ヤツは、顔をしかめる。
私は、クスクス、と、笑うだけ。
「……あー……」
すると、彼女は、パタパタと、手足を動かした。
まるで、会話に参加するように。
「おおっ!何言ってるか、わかるのか?!」
はしゃぐ江陽を、私は、あきれながらもたしなめた。
「そろそろ、車を出せ、ですって」
「ンな訳無ぇだろうが」
「でも――早く帰りましょう。……私達の家に」
そう告げると、ヤツは、穏やかに口元を上げる。
「――そうだな。……帰るか……」
幸せを嚙みしめるように言う江陽に、私も、微笑んでうなづいた。