虐げられてきたネガティブ令嬢は、嫁ぎ先の敵国で何故か溺愛されています~ネガティブな私がちょっぴりポジティブになるまで~

 風呂を出ると、リビアが丁寧に髪を乾かしてくれた。
 少しして運ばれてきた夕ご飯は、とても温かくて美味しかった。
 いつ不幸がやってくるかわからない。時々リビアの顔を窺ってはいたけれど、リビアは「ルプスの料理、お口に合いましたか? お魚なんて身がぷりっぷりでしょう!」だとか、「あーんしましょうか?」とか、とにかく私に優しかった。
 こんな優しい人が、私を騙しているとは考えたくない。
 でも、でも、と、疑う気持ちとは裏腹に、ルプスの人達を信じたい自分もいた。


 お腹がいっぱいになると、急に睡魔がやってきた。
 温かく美味しい料理をお腹いっぱいに食べたのと、長旅で疲れたからかもしれない。
 私はあまりの瞼の重さに耐えきれなくなって、大きな天蓋付きベッドへと雪崩れ込んだ。

 寝ちゃだめだ、いつ殺されるかわからないのに……。

 そう思いながらも私の瞼はどんどんと重くなる。リビアが優しく布団を掛けてくれたまでは憶えているけれど、以降の記憶はなかった。


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