仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
就業時間が終わり、仕事が一段落した沙羅は北斗に近付いた。
「北斗さん、今日は久しぶりに友人と食事に行きたいのですがよろしいでしょうか?」
すると北斗は笑顔を沙羅に向けた。
「もちろん言っておいで…俺のことは気にせずゆっくり楽しんでくるといい。」
沙羅はキャロルの指定したお店へと向かった。
ここはホテルの最上階にあるラウンジだ。
キャロルの言った時間に沙羅が到着すると、すでにキャロルは席に座って待っていた。
「キャロルさん、お待たせしました。」
すると、ショートカクテルを一気に飲み干したキャロルが口を開いた。
「単刀直入に言うわね、沙羅さん霧島北斗さんと別れてくれない?」
キャロルの突然の言葉に声が詰まってしまう。
「な…何を急に仰るのですか…それは出来かねます。」
するとキャロルはとんでもない事を言い出した。
「では…今回の契約は無かったことにしてもらいましょう。」
「ど…どうしてそんなことを…言うのですか。」
キャロルは可愛い顔でケラケラと笑っている。
「あなた…北斗さんを悲しませたくないでしょう…きっと契約を喜んでいたはずよ。彼を絶望させたくなかったら、あなたから別れを切り出して欲しいの。」
確かにアイボリー社との契約は北斗が一番に願っていたことだ。
…もし私が断れば…今回の契約はなくなってしまう…