仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです

突然の言葉に驚く北斗は椅子から立ち上がった。


「…沙羅、何を言っているんだ…理由を聞かせてもらえないか。」


沙羅は北斗の顔をしっかりと見ながら言葉を出した。
沙羅にとっては胸が張り裂けそうだが、一世一代の名演技だ。


「ごめんなさい…他に好きな男性が出来たのです。だから…別れてください。」


北斗は沙羅に背中を向けた。
その背中は微かに震えているようだ。


「…そうか、わかった。沙羅の思うようにすると良い。」


沙羅はその場に居たたまれず、そのまま自分の鞄を掴むと外に飛び出した。

夜の街を一人で歩くと、涙がボロボロと流れてくる。
今回ばかりは太一や里香を頼る訳にはいかない。

ビジネスホテルを予約しようとしたが、今日は金曜日でなかなか空いているホテルが見つからない。

沙羅は仕方なく迷惑を承知で、同期入社で友人の 橘まりかへ連絡をしてみた。
まりかはすぐに沙羅を迎えに来ると言ってくれたのだ。


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