仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
ここは浅瀬の海を埋め立てて造った宮殿のような建物。
アジアンリゾートとアイボリー社が共同のプロジェクトで作られた複合型リゾートホテルだ。
白を基調としたその建物は、建設中から白亜の宮殿と噂されていた。
そのホテルでこけら落としのイベントとして、今日は北斗と沙羅の結婚式が行われる。
この結婚式はホテルの宣伝に使われるため、マスコミや報道関係者は自由に参加できるようになっている。
朝早くから良いポジションを狙って報道陣が詰めかけていた。
沙羅もまた新婦としての準備に早朝から追われている。
髪をカールしたり、化粧前のパックをしたり、それはもう大変だ。
ウェディングドレスは今回も山本大介が選んでくれている。
「沙羅ちゃん、今回はカメラにも映えるようにロングトレーンのドレスを選んだわ。」
ロングトレーンとはスカートの裾部分を後ろに長く引きずるデザインのことだ。
ちょうどドレスに着替えて準備が整った時、北斗が沙羅の元にやって来た。
北斗も白のフロックコートで少し長めの上着を着ており、その姿は王子様のように見える。
「沙羅、とても綺麗だ…皆に見せるのが勿体無いくらいだ。」
「北斗さんも素敵すぎます~。」
山本が二人を見て呆れた表情をしている。
「確かに素敵なふたりだけどさぁ、お互いで言うとバカップルになるからやめて欲しいわ!」