仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
業務終了後、片足を引きずって歩く京子の後ろから高柳が声を掛ける。
「もう少しだけ待っていてください。私も今日はそろそろ帰れそうです。」
高柳は社長秘書という特別な職種の為、マイカー通勤が許されていたのだった。
早朝や遅い時間に移動することもあるからだ。
強引に言われた京子は秘書課で高柳を待っていた。
京子はひとりでブツブツと何かを言っている
「そうよ…私は待ちたくて待っている訳じゃないの…言われたからしょうがないじゃない…そうよね。」
まるで自分に理由をつけているようだ。
少しして高柳が京子を迎えに来た。
「城ケ崎さん、お待たせしました。」
高柳の車に乗る京子。
運転席の高柳をチラリと見る。
高柳は北斗といることが多くあまり目立たないが、すっきりした顔立ちの男性だ。
一般的には、かなりのイケメンの部類だろう。
ハンドルを持つその姿に京子はいつしか目が離せなくなる。
京子の言った住所に到着した高柳が声を掛けた。
「城ケ崎さん、着きましたよ。」
京子は慌てて返事をした。
「あ…あの…ありがとうございました。」