仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
その後、霧島社長は約束の通り沙羅を家まで送ってくれた。
そして、念のため蓮が来ていないか確認して私が窓から合図を送るのを待って車を走らせた。
彼の優しさを感じて沙羅は口角を上げた。
沙羅が部屋に一人戻ると、当然だが家の中の様子は出かけた日のままだった。
部屋の中は蓮からの連絡を貰って、ウキウキと心を弾ませて服を選んだままになっている。
お気に入りのワンピースやスカートが無造作に出したままになっていた。
何度も鏡の前で着替えては迷ったのだ。
そしてキッチンにいくと、そこには蓮の好きなビーフシチューが鍋に作ったままになっている。
家に帰って一緒に食べようと思って作っておいたのだ。
蓮は私のつくるビーフシチューをいつも嬉しそうに食べてくれたのだ。
あんな男のために涙は出したくないが、自然と瞳から涙があふれ流れ落ちる。
沙羅は自分のベッドに崩れ落ちると、押さえていた気持ちが弾けてしまったように号泣した。
声が枯れるほど泣き叫んだのは、子供の時以来かも知れない。
いつしか泣き疲れた沙羅はそのまま眠ってしまっていた。