仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
その女性の後ろに続き秘書課の中に入ると、そこには5名の女性がいた。
皆が噂通りの美しい女性ばかりだ。
そして、皆が一斉に沙羅の方を見たのだった。
緊張もあり何を言ってよいのか、沙羅は言葉を詰まらせていると、グレーのスーツの女性が皆に向かって声をあげた。
「彼女は新しい社長秘書ですって。」
皆がひそひそと小声で何か言っている。中には鋭い目で沙羅を睨みつけている女性もいる。
「あの…私は七海沙羅と…申します。よろしくお願いいたします。」
沙羅が自己紹介して頭を下げるが、だれも返事をしない。
(…思った以上に歓迎されていないみたい…)
今日はもともと挨拶に来ただけだ、応えてくれなくても挨拶した事には変わらない。
沙羅はそのまま向きを変えて部屋を出ようとした。
すると、後ろから男性の声が聞こえた。
「七海さんですか?」
振り返るとそこには眼鏡をかけた背の高い男性が立っていた。
(…このひと…たしか…社長秘書の…男性だよね…)
「はい、七海沙羅です。よろしくお願い致します。」
その男性は柔らかい表情で沙羅に挨拶を始めた。
「僕は社長秘書の、高柳光一(たかやなぎ こういち)です。よろしくね。七海さん社長室へ来てください。」