仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
蓮と係りたくない沙羅は、急ぎ経営企画部を出ようと歩き出した。
すると、後ろから間宮茜が声を掛けた。
「七海先輩、お疲れ様です。異動になってしまったのですね。」
茜は私と蓮の関係は知らないはずだ。
悪気は無いのだと思い、私は茜へと振り返った。
しかし、振り返った茜の顔を見て、肌が一瞬で粟立った。
茜は蓮の腕に自分の腕を絡めて、私に見せつけようとするような挑発的な表情をしていたのだ。
「…七海先輩、今までお世話になりました。…なんかごめんなさいね…先輩が異動になったのは、私が蓮さんと結婚したから…追い出してしまったのかしら。」
茜はどこまで知っているのだろう。
まさか、私と蓮の関係を知っていたのだろうか。
彼女の挑発に乗ってはいけない。
「…私はそろそろ異動したかったので気にしないでほしいわ…お幸せに。」
茜は私のことばを聞いて口角を上げて応えた。
ふわりと可愛い顔の彼女がとても恐い表情に見える。
「ありがとうございます、私は蓮さんと幸せになりますね。先輩もどうぞお元気で。」
私達の会話に蓮は何も言えずただ立ちすくんでいたのだった。