仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
私が部屋を出て歩き出すと、後ろから誰かが私の肩をポンと叩いた。
突然のことに驚き、私が振り返ると、そこに居たのは秘書の高柳だった。

高柳はどうやら経営企画部の入り口にいたようで、私と間宮茜のやり取りを一部始終見ていたようだ。


「よく頑張ったな…社長が君を心配して経営企画部に迎えに行けと言われて来たのだが、一歩遅かったようで悪かったな。」

私は高柳に向かって笑顔を見せた。もちろん精一杯の作り笑顔だ。

「お恥ずかしい所をお見せしてしまいましたね。…でも、もう私は大丈夫です。蓮…いいや、篠宮課長とのことはもうずっと昔のことのように感じています。何を言われても気になりません。」

高柳さんは沙羅の顔を無言で少しの間見ていたが、すぐに微笑んだ。

「…君は強いな。」

高柳は、私の抱えていた荷物を取り上げるように持ってくれた。

「…社長が待っているぞ。さぁ、今日から忙しくなるからな。」


「はい、よろしくお願いします。」


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