仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
その時だった。
私の座っていたソファーから少し離れたところからパチパチと手を叩く音が聞こえた。
私達がその音のする方を見ると、そこに居たのは、霧島 北斗(きりしま ほくと)アジアングループ御曹司であり、私達の会社であるアジアンリゾートの社長だ。
彼は御曹司というだけではなく、その実力を認められて30代になったばかりだが社長に抜擢されたと聞いている。
霧島社長は気だるそうに拍手をしながら私達の方に近づいて来た。
「篠宮課長…おめでとう。…しかし、今そこのソファーで休んでいたら面白いものを見てしまいましたよ。」
「しゃ…社長…何をおっしゃっているのですか…」
蓮は少し怯えたような表情に変わった。
「まさか新郎が他の女性を口説いているところを見せられるなんて…僕は初めてですよ。」
「ち…違うんです。…僕はもともと沙羅と付き合っていて…それで…」
霧島社長は蓮の目の前に立ち、怯えた表情の蓮を睨みつけた。
「俺はお前みたいな調子のいい野郎が大嫌いなんだ。これは社長ではなく一人の男として言わせてくれ……お前は最低な男だな。」