仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
霧島社長の平然とした態度に、高柳が立ちあがり大きな声をあげる。
「悪いが北斗、これは友人として言わせてもらう。結婚はゲームじゃないんだぞ。お前は良いかも知れないが、七海さんは違うと思う。結婚は本人だけの問題じゃないんだ。七海さんのご両親に何と言うつもりなんだ。いい加減にしろ!」
すると霧島社長は沙羅に向かって急に頭を下げたのだ。
「七海さん、いろいろ巻き込んで済まないと思っている。しかし、結婚する以上は嘘の結婚でも君を大切にする。もちろんご両親にも挨拶に伺って了承を頂くつもりだ。…僕と期間限定でも良いから結婚してくれないか。」
霧島社長の真剣な顔に、沙羅は少しの間言葉を失っていた。
しかし、嘘の結婚であってもこんなに真剣に考えてくれる霧島社長に心が熱くなる。
これは普通のことかも知れないが、今思えば蓮は私の両親が東京に来ると言っても、面倒だと言って会ってくれようとしなかったのを思い出した。
「…霧島社長、ふつつかな私ですが期間限定の結婚。よろしくお願い致します。」
霧島社長はその言葉を聞いて沙羅の両手をぎゅっと掴んだ。
「七海さん、…沙羅、これからよろしくな。…それと仕事以外では沙羅と呼んでいいか?君も僕を北斗と呼んで欲しい。」
「ほ…ほ…ほく…とさん。」
沙羅が真っ赤になりながら北斗の名前を呼んだ。
北斗はその様子を見てなんだか嬉しそうに微笑んでいる。
高柳はその様子に呆れたような声を出す。
「まぁ…七海さんが了承してくれるなら良かったよ。北斗、七海さんを泣かせたら俺が許さないからな。大事な部下を大切にしてくれよ。」