仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
沙羅と北斗は母親の後をついて家の奥へと向かった。
するとリビングには父親が少し不機嫌そうに座っていたのだった。
「お父さん、ただいま。今日は紹介したい人がいるの…こちらは…」
沙羅の言葉を遮るように父親が北斗を厳しい目で見ながら話を始めた。
「ご本人から挨拶してもらおうか。霧島さんといったかな…私に用があって来たのだろ?」
北斗はその場で姿勢を正すと沙羅の父親へ挨拶を始めた。
「私は沙羅さんとお付き合いをさせて頂いております。霧島北斗と申します。沙羅さんと結婚のお許しを頂きたいと思っております。」
すると、父親は目を閉じて腕組みをした。
「霧島さん、あなたはうちの娘を幸せにしてくれますか…失礼ですがお仕事は何をしているのですか。」
沙羅は紹介したい人がいると両親に伝えていたが、自分の会社の社長とは伝えていなかったのだ。
「はい、アジアンリゾートで代表を勤めております。」
両親はその言葉を聞いて目を見開いて驚いている。
確かに自分の娘が勤めている会社の社長を連れて来たら驚くのも当然だ。
「君…本当に沙羅の会社の社長なのか?」
「はい。本当です。」
北斗の顔をじっと見て少し沈黙した父親が口を開いた。
「君に娘はやれない。…君とは世界が違い過ぎる。沙羅にはもっと普通の男性と結婚させたいと思っている。沙羅に苦労はさせたくないんだ。」