仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
「沙羅様、本日は急ぎこちらに参りましたので、一旦失礼させていただきますね。」
夕食の片付けを終えた多岐が沙羅へ声をかけた。
「はい。本日はありがとうございました。」
明るく返事を返した沙羅だったが、多岐が心配そうに顔を覗き込んだ。
「沙羅様、お食事もあまり召し上がっていないようですし、お顔色が良くないようですね。お疲れなのかも知れませんが、大丈夫でしょうか?」
沙羅は努めて明るく平然を装っていたが、北斗の写真がどうしても頭から離れずにいた。
そのため、食事もあまり喉を通らないのだった。
「…少し疲れているのかも知れません。ご心配をお掛けして申し訳ございません。」
多岐は沙羅の返事に優しく頷くのだった。
多岐が帰ってしまうと、この広い家がさらに広く感じるのだった。
一人になるとどうしても余計な事を考えてしまうものだ。