仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
沙羅は自分でも処理しきれない感情と、北斗が隣にいるという状況で眠ることはできない。
少しすると、北斗の静かな寝息が聞こえて来た。
もともと仕事が忙しいのに、今回のことで二つ星不動産と対立することとなり、かなりの忙しさなのだろう。
疲れた顔は見せないが、眠りにつく早さから疲れているのがわかる。
北斗の静かな寝息を聞いていると、なんだか安心するが眠ることは出来なかった。
翌朝、沙羅はいつのまにかうとうととしていたようで、気づけば隣に寝ていたはずの北斗の姿が見えない。
慌てて起き上がり部屋を出ると、多岐と北斗の声がする。
多岐は早朝から来てくれていたようだ。
沙羅は急いで身支度を簡単に整えた。
「申し訳ございません!起きるのが遅くなりました。おはようございます。」
沙羅の挨拶を聞いて多岐は優しく微笑んだ。
「おはようございます。まだ時間は早いですので、そんなに慌てないでください。朝食の支度は出来ていますので、北斗坊ちゃまと召し上がってください。」
北斗がその言葉を聞いて多岐に不満そうな表情をする。
「多岐、そろそろ坊ちゃまはやめてくれないか。」
多岐はケラケラと楽しそうに笑っている。
「あらあら、そうでしたね。私にはいつまでたっても可愛い坊ちゃまですが、これからは旦那様とお呼びしなくてはいけませんね。」