仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです

それから1時間も経たない頃、北斗が来客から社長室へ戻って来た。

「七海さん、お疲れ様。何か変わったことは無かったか。」

「社長、お客様が第3会議室でお待ちです。今は高柳さんが対応してくれています。お名前は…三枝凛子様という方です。」


その名前を聞いた瞬間に、北斗から笑顔が消えた。
驚きで一瞬言葉を失ったようにも見える。


「そうか…では七海さん。第3会議室へ行って俺は会う時間が無いのでお引き取り願ってくれ。」

「…っえ…あの…よろしいのでしょうか。」


北斗は静かに言葉を出した。


「話は以上だ。高柳へよろしく伝えるようい言ってくれ。」


北斗にそれ以上何か言える雰囲気ではない。
沙羅は言われた通り、第3会議室をノックした。

すると中から女性の大きな声が聞こえて来たのだ。


「北斗に会わない方が良いってどういうことなの!」


沙羅は気まずい状況だったが、恐るおそる部屋のドアを開けた。
すぐに沙羅に気づいた高柳が近づいて来た。


「…あの…社長は…お会いする時間が無いと仰っていて…高柳さんからよろしくお伝えして欲しいとのことでした。」


私の言葉が聞こえたのか、三枝は私達に近づいて来た。


「新しい秘書さん、私の名前はちゃんと北斗に伝えてくれたの?…もういいわ…社長室にいるんでしょ、直接伺うわ。」


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