仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
太一は里香に向かって何か耳打ちしている。
恐らく沙羅の事を伝えているのだろう。
(…また迷惑をかけてしまう…)
沙羅は太一と里香の話が終わるとすぐに二人に声をあげた。
「私は大丈夫ですので、ご迷惑はこれ以上かけたくありません。失礼させていただきます。」
すると、里香は沙羅に向かって微笑んだ。
「今日はね、金曜日なので太一と鍋パーティーをしようと計画していたの。もしよかったら沙羅さんも買い物手伝ってくれないかしら。」
「…でも…私は。」
戸惑っている私に太一が話し掛けた。
「沙羅ちゃん、よかったら手伝ってやってくれないか。僕は会社に戻らなくてはならないから、里香の買い物が大変そうなのでお願いするよ。北斗には僕から連絡しておくから、沙羅ちゃんは今日はここに泊っていってね。」
太一夫婦の優しさに戸惑う沙羅だったが、里香の強引な誘いに流されるのだった。
近所のスーパーまでは里香の運転する車で向かった。
「沙羅ちゃん、夕方の特売セールは主婦の戦場だからね。頑張って良い食材をゲットしましょうね。」
里香は沙羅に向かってウィンクをしてケラケラと笑っている。
迷惑をかけているが、里香といると心が落ち着くのを感じていた。