仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
「北斗さん、お先に寝かせて頂きますね。おやすみなさい。」
沙羅は書斎で仕事をしている北斗に声をかけた。
「沙羅、おやすみ。」
北斗は振り返り笑顔を見せた。
この時沙羅は北斗が仕事していて良かったと思っていた。
もう一緒に寝る事には慣れて来たが、今日は北斗の気持ちを打ち明けられたためなんだか恥ずかしい気分なのだ。
ベッドに横になる沙羅だが、北斗はまだ隣にいないのに心臓がうるさい。
「きっと北斗さんは勢いで言ってくれただけ…沙羅、期待しちゃだめだよ。」
自分に言い聞かせるようにブツブツと小さな声で呟いて自分を落ち着かせる。
少しして寝室のドアがカチャリと音をたてた。
北斗が入って来たようだ。
沙羅は目を閉じて寝たふりをする。
(…この前は、おやすみと言って頭を撫でてくれたから今日もしてくれるのかな…)
「…沙羅、おやすみ…」
沙羅は頭を撫でられる準備をしていたが、今回は違っていた。
ないか柔らかいものが唇に触れたのだ。
突然のことで何が起こったか分からず、少し目を開けて見る。
すると北斗の顔がとても近くにあるではないか。
(…な…な…何が起こった…これはキスされたの…)
「ごめん、沙羅起こしてしまったかな。」
北斗が恥ずかしそうにしている。
「い…いえ…なかなか眠れなかったので…起きて…ましたよ。」
「沙羅、もう一回して良いかな。」
「…っえ!」
北斗は沙羅の頭の両側に手をつくと、ゆっくりと顔を近づけて唇を重ねた。
触れるだけの優しいキス。
しかしこんなにもドキドキするキスは初めてかもしれない。
「今はここまでで我慢するよ。おやすみ…沙羅」
今日は心臓がうるさくて眠れないかも知れない。