仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです

「沙羅、パーティーも仕事だから、ドレスは俺が用意する。明日にでも知り合いに頼んでおくから選んできてくれ。」

「…は…はい。」


どんな服装をして良いのか分からないし、会社に恥をかかせてはいけない。
ここは北斗の言う通りにするしかなさそうだ。


翌日、沙羅が他部署でのミーティングを終えて社長室に戻ると、背の高い綺麗な女性が座っていた。

その女性は沙羅を見るなり声をかけてきたのだ。

「久しぶりねぇ、沙羅ちゃん。私のこと覚えているかしら。」

沙羅は久しぶりと言われても思い出すことは出来ない。
こんなに綺麗な女性なら覚えていても良さそうなものだ。

沙羅は首を斜めに傾けて考えた。

「…大変失礼ではございますが…私はどちらでお会いしましたか?」

すると、その女性はクスクスと楽しそうに笑い出した。

「分からないわよね…じゃあ…こうすればわかるかしら。」

なんと、その女性は自分の髪を掴むとスルリと外してしまった。
髪はウィッグだったのだ。

そして髪をとった女性を見て、沙羅は思わず大きな声をあげてしまった。

「ま…まさか…山本さん…ですか?」

「正解よ~!」

その女性の正体は驚いたことに、北斗が初めて連れて行ってくれた小料理屋の大将である山本大介だったのだ。

「なぜ…山本さんが…ここにいらっしゃるのですか?」

北斗は沙羅と大介の話を聞いて、笑いを堪えながら楽しそうに話し始めた。


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