仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです

「大介は同期入社だったけど、服飾デザイナーとしての才能もあったんだよ。コンテストで入賞してからは本格的にデザインの勉強をしたんだ。…女装は単なる趣味だけどな。」

「…ではなぜ小料理屋の大将をしているのですか?」

すると今度は山本自身が話し始めた。

「私はね、料理も大好きなのよ。私の作ったお料理を美味しく食べてもらえるのが嬉しくてね。小料理屋は趣味みたいなもんなの。本業はデザインナーであり最近はスタイリストとしてもちょっと名が知れているのよ。」

北斗がさらに説明を始めた。

「こんな大介だけど、センスは抜群に良いんだ。最近は女優のスタイリストもしているくらいなんだ。そこで今回は沙羅のパーティードレスをお願いしようと思って来てもらったんだよ。」

「そ~なの~よ~。沙羅ちゃんよろしくね。」

なんということだろう。
小料理屋の大将だと思っていた山本が、スタイリストで女装家だったなんて驚きすぎて倒れそうだ。

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「沙羅ちゃん、まずはこれを試着してみて。」

今、沙羅は山本がデザインを手掛けるブティックに連れてこられている。
まず一着目に山本が出したのは、黒のレースが豪華なドレスだ。

沙羅が試着した姿を厳しい目で見ている。
ここはさすがプロの目という感じだ。

「なんか、沙羅ちゃんのイメージじゃないわね…それに今回は北斗の婚約者として参加するのよね。ちょっとこのドレスじゃないわね。」

山本はそれから数えきれないほどのドレスを沙羅に試着させた。


「うん、これだわ!これが一番素敵。品があってエレガント…最高よ!」


最終的に山本が選んだドレスは、薄いグレーのミモザ丈ドレスだった。
後ろに大きな飾りのリボンなどがついているが、薄いグレーのためそれが大人っぽくも見えるのだ。


「山本さん、本当に素敵です。ありがとうございます。」


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