仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
パーティーの司会者が来賓の方々を紹介してご挨拶を貰っている。
政治家や有名人など豪華なメンバーだ。

そして最後にアジアングループ社長である北斗の父親に続き、グループ会社の代表が挨拶や近況の報告をする。
北斗もアジアンリゾート社長として挨拶のために壇上に上がった。

今後のリゾート開発計画や現在の状況の報告等を話し終えた後、北斗は深く息を吐くともう一度話を始めた。


「…それと…私事ではありますが、結婚を決めた女性を紹介したいと思います。どうか温かい目で見守っていただきたい。」


北斗の話で会場が一気にざわつき始めている。
中には悲鳴のような声を出す女性達もいるくらいだ。

そして北斗は沙羅に向かって壇上から声をかけた。


「…沙羅、ここに上がって来てくれないかい。」


北斗が呼びかけたことで、沙羅へと皆の視線が集中する。
緊張で足が震えて動けそうもない。

北斗は沙羅を迎えに壇上から降りて来た。

震える沙羅の手を取ると、北斗は沙羅の耳元で囁いた。

「大丈夫。俺を信じてくれ。」

とても恐かったが、北斗の後姿をしっかり見ながら壇上へと上がった。
すると、皆の大きな拍手が聞こえて来たのだ。


「僕の大切な女性(ひと)です。生涯をかけて守りたい女性を見つけました。」


< 82 / 143 >

この作品をシェア

pagetop