仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
母親との話が終わると、ホールの中は北斗たちに話を聞きたい人が、波のように押し寄せてこようとしていた。
すると、太一と里香が北斗達のところに駆け寄り大きな声をあげた。
「北斗!このままホールにいると、話を聞きたい奴やマスコミにもみくちゃにされるぞ、さぁ裏口へいそげ!」
太一はホテルの関係者だけが使えるドアを開けてもらい、北斗を逃がす用意をしてくれていた。
そのドアは一般人立ち入り禁止なのだ。
ホールの人達やマスコミ関係者などは入ることが出来ない。
警備員が入り口に立ち、勝手に入られぬよう守ってくれている。
「兄さん、すごいな…このホテルに顔が利くのか?」
太一は口角を上げた。
「俺は伊達に営業部で部長をしているわけでは無いんだ。ここのホテルには付き合いがあって、担当者とも知り合いなんだ。」
太一のお陰で従業員通路を通してもらい、北斗達は無事にマスコミなどから逃げることが出来た。
営業部の太一に感謝しかない。
「兄さん、感謝する!」
一息ついた太一は呆れるような表情で溜息をついた。
「北斗、お前には本当に驚かされるよ。これから沙羅ちゃんも大変だな。」