仕返しのつもりだったのに、溺愛されているようでなんだか幸せです
新之助は茜の顔をじっと見つめた後、ゆっくり下を向いた。
「お前は小さい頃から可愛かったんだ…皆が茜が可愛いからと言って甘やかしてしまった。」
茜は口を尖らせて反論する。
「私は叔父様の為にも霧島を痛めつけたかっただけなのに…私が叔父様から悪く言われるのは心外だわ。」
「茜…わしがこんな事をしてもらって喜ぶと思うのか…確かに霧島には悔しい思いをさせられたが、それと同時に良い戦友に巡り合えたと感じていたんだ。この悔しさは、いつか仕事で追い抜いてやりたいと思っていたよ。」
新之助は北斗達に深々と頭を下げた。
「こんなことで許してもらえるとは思っていないが…茜に代わって詫びさせてくれ。この通りだ。」
先に声をあげたのは沙羅だった。
「間宮さん、頭を上げてください。私はこの通り無事でしたし、茜さんも叔父様を思ってのことなんですね。」
そしてさらにドアの所に駆けつけた男性がいた。
なんと、ドアから入って来たのは蓮だった。
蓮は茜を見つけると、茜に駆け寄り両肩を掴んで大きな声を出した。
「茜!お前…何をしているんだ。七海さんに何をしたんだ!」
茜は首を横に向けて話をした。
「やっぱり蓮は七海さんに未練があるんだ…大切な恋人だったんだもんね!あ~あ、なんで皆、七海さんなのよ!」
すると、蓮は驚いたことに茜の頬を叩いたのだった。
「痛いわね!何するのよ!」
蓮は下を向いて涙を流し始めた。
「俺は確かに七海さんを愛していた…しかし地位や出世に目が眩んでしまって七海さんを悲しませることになってしまったんだ。…でも、茜と毎日過ごしていると君の明るさに心が癒されて幸せな気持ちになっていたんだ。…茜を愛していたのは俺だけだったのか?」
茜は戸惑いの表情を見せる。
「…蓮…本当なの…私を愛してくれるの…」