女王陛下は溺愛禁止!
「神は気まぐれに人を愛し、飽きたら捨てる。捨てられた者は悲惨な人生を辿るという。もし本当に神でも安易に応じることなどできぬ。そもそも溺愛など絶対にいらぬ」
「そんなこと言わないで。豊満な胸に引き締まったお腹、プリッとしたお尻……全てが好みなんだ」

「こいつは死刑で良いな」
 断言するアンジェリアに、彼は慌てる。
「神を死刑にするとか、なくない?」

「まことに神であるならばほかにも能力があるでしょう。なにができるのですか?」
 ラドウィルトの質問に、
「ん、まあいろいろと」
 エアは言葉を濁す。

「たとえば(いかづち)を落とすとか」
「攻撃的なのはよくないと思うんだよね」

「石をパンに変えられるとか」
「そういう奇跡のせいで人が働かなくなったらまずいと思うんだよね」

「つまりなにもできない、と」
「そ、そういうわけじゃないよ」
 エアは慌てて否定するが、剣を突きつけられ、うっと言葉に詰まる。

「……本当はちょっとしかできません。封印の解け方が中途半端で、力が完全じゃなくて」
 白状すると、ようやくラドウィルトは剣をおろした。
「空を飛べるだけでもだいぶ人間よりアドバンテージとれてると思うんだけどなあ」

「封印解除が中途半端……愛を誓ってはいないからか?」
 アンジェリアがつぶやく。
「きっとそうだね。さあ、早く愛を誓って!」
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