女王陛下は溺愛禁止!
大使の言う通り、女王の命を救った王子との恋物語は両国をより良い形で近付け、盛り上がるだろう。
彼は文武に優秀であると評判だ。リアンシェードではもちろんソルディノアノスでの人気も高い。
これほどの良縁はない。
なのに。
どす黒いものが沸くのを止められず、ラドウィルトは拳を握りしめる。
叛乱が起きたときには徹底抗戦を勧めた。それがアンジェリアの独身宣言につながるともわからずに。
彼女の幸せを奪ったのは、つまりは自分ではないのか。
だからこそ彼女の幸せを願い、結婚を願った。
相手を厳選したのは決して嫉妬からではないと、そう思って――いや、思おうとしていた。
なぜあの場を離れてしまったのか。
悔恨がラドウィルトに襲いかかる。
メイドに襲撃されたとき、自分がいれば守れたのに。
もし万が一。
同時に、空想が巡る。
もし自分がアンジェリアをかばって刺されていたならば、彼女は同様に責任をとる形で結婚を選択しただろうか。
思って、彼は自嘲の笑みを浮かべる。
ありえない。なによりも自分がそれを却下する。
アンジェリアの足枷にはなりたくない。幸福な女王になってもらいたいのだから。
「なにやってんの」
エアがひょいと顔を覗かせる。
のんきな顔に殺意がわくが、こんなものはやつあたりだ。
彼は文武に優秀であると評判だ。リアンシェードではもちろんソルディノアノスでの人気も高い。
これほどの良縁はない。
なのに。
どす黒いものが沸くのを止められず、ラドウィルトは拳を握りしめる。
叛乱が起きたときには徹底抗戦を勧めた。それがアンジェリアの独身宣言につながるともわからずに。
彼女の幸せを奪ったのは、つまりは自分ではないのか。
だからこそ彼女の幸せを願い、結婚を願った。
相手を厳選したのは決して嫉妬からではないと、そう思って――いや、思おうとしていた。
なぜあの場を離れてしまったのか。
悔恨がラドウィルトに襲いかかる。
メイドに襲撃されたとき、自分がいれば守れたのに。
もし万が一。
同時に、空想が巡る。
もし自分がアンジェリアをかばって刺されていたならば、彼女は同様に責任をとる形で結婚を選択しただろうか。
思って、彼は自嘲の笑みを浮かべる。
ありえない。なによりも自分がそれを却下する。
アンジェリアの足枷にはなりたくない。幸福な女王になってもらいたいのだから。
「なにやってんの」
エアがひょいと顔を覗かせる。
のんきな顔に殺意がわくが、こんなものはやつあたりだ。