女王陛下は溺愛禁止!

***

 おかしい。
 アンジェリアは違和を感じていた。
 明らかにラドウィルトからの小言が減った。
 執務室にいる時間も、意識的に減らしてるように感じる。

 婚約内定の日から様子がおかしかったが、さらに二日が経過し、疑念は確信に変わった。
 ラドウィルトが自分と距離を置いている。
 今まで、意見の違いからケンカをしたときですら、距離をおくことはなかった。

 なのに、どうして。
 答えはひとつしか浮かばない。
 一昨日、クライドと結婚を決めたことだ。

 あの件でどうしてラドウィルトが距離を作るようになったのかわからない。
 彼はいつも結婚を勧めて来ており、自分はようやくそれを決めたのだ。
 だというのに、どうして距離を取られるのだろう。祝福するならともかく。

 そう思って、胸にもやもやとしたものが沸く。
 果たして彼に祝福されたとして、素直に喜べるだろうか。
 疑問を追求する気にはなれなかった。なんだか災厄の箱のふたを開けてしまう不安があって、その先へ進みたくはない。

 ラドウィルトは最低限の言葉を発するだけで、すぐに退室する。
 次第にいらいらしてきて、執務を終えるころ、とうとう爆発した。

「お前、いきなり態度を変えるのはやめろ」
「態度とは」
 返事はそっけなくて、アンジェリアはさらにいらつく。
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