女王陛下は溺愛禁止!
 朝日がまだ昇らぬうちに、クライドの元に暗殺者が現れた。
 暗殺者は護衛をすべて殺し、クライドを狙う。

 だがクライドは抵抗した。
 騒ぎに気付いた別の兵が到着したころにはクライドは暗殺者を倒していたという。
 そのときに彼の傷が開いてしまい、医務室に運ばれた。
 前回の襲撃以来、彼の治療のために神官が王宮に待機していたため、早く手当をできたという。

「さすがに手加減はできませんでしたが」
「いえ、さすがでいらっしゃる」
 アンジェリアは素直に称賛した。城の内部に入り込むならばよほどの手練れだろう。万全ではない体で打ち負かすなど、剣の技量のすさまじさを思い知らされる。

「申し訳ない。こちらの不手際だ」
 謝罪をしながら、不審に思う。
 先日の襲撃で警備は厳重になっている。クライドが国から連れて来た護衛も警戒を強めていた。それをあるいはかいくぐり、あるいは殺して内奥に忍び込んで襲うなど、手引きをした者がいなければ不可能だ。

「しかし気になることが」
 クライドは言葉を切ってアンジェリアの背後の兵を見る。
 察したラドウィルトは兵士を部屋から出し、彼は残る。
 だが。

「完全なるお人払いを」
 クライドはそう言った。
「こやつは問題ない」
「そうは参りません」

「失礼いたしました。退室いたします」
 アンジェリアが判断するより早くラドウィルトが退室し、彼女は戸惑ってクライドを見る。
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