女王陛下は溺愛禁止!
「なんか面白そうなことになってるね」
 声に顔を上げると、エアがラドウィルトを見てくすくすと笑っている。
「なにしにきた」
「面白そうだから来ただけだよ。暗殺に失敗したって?」
 エアはくるりと体を一回転させる。

「で、本当に暗殺しようとしたの?」
「するわけがない」
「だよね」
 くすくすとエアは笑う。

「だけどアンジェリアに信じてもらえてないんだ?」
 無邪気に発言されたそれはラドウィルトの胸を深く抉った。

「無実の証拠を得られるまでの暫定的な処置だ」
「本当に?」
 エアの虹色の瞳がきらりと光る。

「もうお前なんかいらないって、それではめたのかもよ?」
「そのようなこと、意味がない。必要ないのであれば職を解けばいいだけだ」
「ふーん。あんま動揺しないね。つまんない」
 エアは口を尖らせた。

「神はさように悪趣味か」
「暇だからね。暇つぶしになるならなんでもするって奴もいるよ。人間に戦争させたりとかさ。人間だってチェスやるじゃんね。あんな感じ。俺はやんないけど」
 ラドウィルトは顔をしかめた。神の暇つぶしで戦争させられるなど、たまったものではない。

「神の勝手に人間を付き合わせないでいただきたい」
「だったら神に助力を願うのもやめてほしいけどね」
 あっさりと返され、ラドウィルトは言葉につまる。
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