女王陛下は溺愛禁止!
「お前に責はないよ。陛下とクライド殿下はお似合いだと誰しもが言っていたし、ラドウィルト殿が陛下に求婚した話は聞いたことがないじゃないか」
「でも、噂はときおり流れておりました。おふたりが仲睦まじくおられたのは事実」

 それが恋愛でなかったのだとしても。ふたりの間には他者には入れない空気が流れることがあった。
 自分はアンジェリアのただひとりの妹。もっとふたりのことを察してあげる必要があったのではないだろうか。そう思えてしまうのだ。

「このまま死罪となってしまったらどうしましょう」
 マリオンは彼女を抱きしめた。
「明日、ラドウィルト殿に会いに行ってみるよ。会えるかどうかはわからないが」
 レイジェリーナが涙にぬれた目で見やると、マリオンは力強く頷いた。

***

 軟禁二日目、ラドウィルトは本を読む手を止め、時計を見た。まだ三時にもなっていない。
 貴族でありアンジェリアの補佐官であるがゆえに牢に入ることなく軟禁となっている。当然ながら仕事を許されていない。

 なにもない一日というのはこうも時間の流れが緩いのか。
 何度目かわからないため息をつき、本を閉じて天を仰ぐ。が、天井の規則正しく配置された柄のが見えるばかりだ。
 読みたかった本を読める、とは思ったものの、なかなか集中できない。同じ姿勢でいることにも疲れるし、やはり事件が気になる。

 まさか自分が犯人にされるとは思いもしなかった。
 クライドが狙われることに対しては警戒していた。宿でも襲撃を受けたのだし、王宮にメイドが入り込んでアンジェリアを襲った。警備を増やした上で襲われたのであれば内部からの手引きを疑う局面なのは理解できる。
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