女王陛下は溺愛禁止!
「お前、犯人にされてるんだろ? 普通は神に無実を証明してくれって頼むところじゃん。なんでそんな挑戦的なわけ?」
「そういう方法もあったのか」
 ラドウィルトは苦笑する。エアを真に神とは信じていなかったため、そういう発想がなかった。

「では、貴殿は私を無実と証明できる(すべ)を知っておられると?」
「知ってるわけじゃないけど。神の力で信じさせることは不可能じゃないよ」

「……しかし、封印の解け方が中途半端で力が発揮できていないのでは?」
「そ、それは……そこはなんとか……」
 エアがごにょごにょと言葉を濁す。

 ラドウィルトはまた苦笑した。
 エアがいると、なんだか調子が狂ってしまう。だがこの緊急時においてすらそれが不快ではない。

「ここは城のどこなのかわかるか?」
「地下だよ。住んでるくせにわからないんだ?」
「地下に用などないからな」
 アンジェリアとともに地下神殿に行くことはあったが、こんな小部屋は見たことがない。
 ラドウィルトはドアを押したり引いたりしてみたが、当然ながら開く様子はない。

「この扉、開けられないか?」
「無理」
 それくらいなら、と思ったが、即答で断られた。

「この扉の鍵を持って来ることは可能か?」
「なんで俺がそこまでやらないといけないわけ? そもそも誰が鍵持ってて、どれがここの鍵なわけ?」
 クライドの命が危ういときでもエアは他人事でお菓子に気を取られていた。ラドウィルトのことなどどうでもいいのだろう。お菓子だけでどれだけつられてくれるのだろうか。
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