女王陛下は溺愛禁止!
「言っておくけど、これ以上お菓子で釣ろうとしても無駄だからね。厨房からだってお菓子もらえるんだから」
 見透かしたように彼は言う。
 さきほどは菓子で釣られてくれたのに、もはやそれは通じないと宣告されてしまった。釣り合いを考えた結果なのだろうが、ラドウィルトには不都合だ。

「ならば、伝言を頼まれてくれ」
「神使いが荒いなあ」
 ぼやくエアに、ラドウィルトは言う。

「無事に私の無実が証明された暁には、背丈と同じ高さのケーキを用意しよう」
 エアの目がきらっと輝いた。
「やるやる、なに!?」

「陛下にクライド殿下のさらなる警護の強化を。加えて、マリオン殿が犯人である可能性を伝えてほしい。あと、私がここに監禁されていることも」
「えー? 三つもある」
 エアが頬を膨らませる。

「等身大ケーキに加えてアイスクリームを用意しよう」
 ラドウィルトの言葉に、エアは興味深そうに目を向ける。
「アイスクリーム?」
「食べたことないだろう? 冷たくて甘い冷菓だ」

「じゃあそれも。でも意外、アンジェリアのところに連れて行けって言わないんだ?」
「頼んでも断るだろう?」
「わかってるじゃん」
 エアの答えに、ラドウィルトは苦笑する。

「言うだけでいいんだよね」
 エアはそう言ってすぐさま姿を消した。
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