女王陛下は溺愛禁止!
 エアは自身の言動がぶれていることを気にしていないようで、ラドウィルトはほっとした。
「頼む……」
 自分のことは最悪、どうなってもいい。クライドが狙われているのであれば、彼をなんとしても守らなくてはならない。自分がいなくなっても、クライドならばアンジェリアを支えてくれるだろう。彼ほど王配にふさわしい人物はいない。
 ラドウィルトは珍しく祈った。
 神が願いをかなえてくれるようにと。

***

 まったく、なんで自分が人間の言うことを聞かなくてはならないのか。
 エアはため息をこぼす。
「だけど、背の丈くらいのケーキはほしいよなあ」
 そんな大きなケーキは見たことがない。

 ケーキを作ってもらうときには神の力で自分の体を大きくしておこうか。それならとても大きなケーキを作ってもらえそうだ。
なんのケーキがいいだろうか。生クリームはたっぷりで、チョコレートもほしい。旬のフルーツは欠かせないし、果物の砂糖漬けをトッピングするのも良さそうだ。全部のせを注文してやったらラドウィルトはどんなびっくりした顔をするだろう。

 アイスクリームも食べたことがない。冷たいお菓子って、どれくらい冷たいのだろう。クリームというからには生クリームみたいな感じだろうか。
 思ってから、これって料理長に頼めば作ってくれるのではないか、と気が付く。わざわざあいつの願いを聞いてやる必要はないのでは?
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